つかまるドライバーの選び方|4つの作りを知って、自分の振り方で決める

この記事の結論

  1. つかまるドライバーの作りは4つです(重心距離が短い/重心角が大きい/フックフェース/アップライトなライ角)。自分でフェースを返す動きがある人は①、フェースが開いたまま下りてくる人は②〜④が合います
  2. 「つかまる」とは、当たる瞬間にフェースが閉じる方向へ動くことです。閉じる速さ(重心距離)と、閉じようとする力(重心角)と、構えたときのフェースの向き(フェース角)の組み合わせで決まり、1つの数字では決まりません
  3. 重心角が大きくても、つかまるとは限りません。重心角35.3度のG440 Kより、29.5度のゼクシオ9のほうがつかまります。重心距離が10mm前後違うからです
  4. つかまりすぎて左に行く人は、4つの逆(重心距離が長め・重心角が小さめ・スクエアなフェース・フラットなライ角)を選びます

つかまるドライバーに替えたのに、まだ右に行く。

スライスを止めたくて買ったのに球筋があまり変わらない、あるいは今度は左のラフに行くようになった、という方も多いと思います。ドライバーのつかまえ方は1つではなく、どれが効くかは振り方で変わります。そこさえ分かれば、選び方は意外とシンプルです。この記事では、つかまるドライバーの4つの作りと、自分の振り方に合う作りの見分け方をまとめました。

目次

つかまるドライバーは何を見て選べばいい?

つかまるドライバーは、機種名やカタログの「つかまる」という言葉ではなく、どの作りでつかまえているかを見て選びます。作りは4つあり、自分でフェースを返す動きがある人と、フェースが開いたまま下りてくる人とでは、効く作りが違います。自分がどちらかを見分けてから作りを選べば、買ってから「思っていたのと違う」となることは減ると思います。

つかまると評判のクラブに替えても合わないことがある

「つかまるって書いてあったのに、なぜ右に行くの?」と感じたことがあるかもしれません。

Q&Aサイトには、反対の悩みも寄せられています。つかまると評判のドライバーに替えてスライスはほぼ出なくなったのに、今度はたまに強いフック(チーピン)が出る。最近つかまるドライバーにしたら、ナイスショットなのに左に行きがちになった。どちらも、クラブが悪いのではなく、つかまり方が振り方と合っていない状態です。

つかまるドライバーには、大きく2つのタイプがあります。自分で返そうとしたときに、ヘッドがついてきてくれるもの。返さなくても、クラブのほうが勝手に閉じる方向へ動いてくれるもの。同じ「つかまる」でも、効き方はまったく別物です。

分かれ目は「フェースを返す動きがあるか」だけ

ドライバーを打つ人の振り方は、ここで大きく2つに分かれます。

1つは、ダウンスイングで自分でフェースを閉じながら打っている人です。もう1つは、フェースが開いたまま下りてきて、そのまま当たる人です。どちらが上手い、という話ではありません。効く作りが違う、というだけです。

分かれ目はスイングにフェースを返す動きがあるか。返す人は重心距離が短いヘッドが助けになる
分かれ目はスイングにフェースを返す動きがあるか。返す人は重心距離が短いヘッドが助けになる

この記事は、右へのミスを止めたくてつかまるドライバーを探している人に向けて書いています。反対に、つかまりすぎて左に行く人の選び方は、後半の「自分に合うつかまる作りはどれ?」で書いています。

自分がどちらなのか、今の時点で分からなくても大丈夫です。球筋からの見分け方も後半に書きました。振り方そのものを直したい人は、ドライバーのスライスの直し方もあわせて読んでみてください。

ドライバーの「つかまる」とは?

当たる瞬間に、フェースが開いたままにならず、閉じる方向へ動いて当たることです。閉じやすいヘッドかどうかは、重心距離と重心角の2つの数字に、構えたときのフェースの向きを合わせて見ればおおよそ分かります。あわせてよく出てくる重心深度は、ぶれにくさを表す数字です。

スライスはフェースが開いたまま当たるから

先に、スライスがなぜ出るのかを確認しておきます。

インパクトで、ヘッドが進んでいく向きよりもフェースが右を向いていると、球には右回りの回転がかかります。これがスライスです。

つかまるドライバーは、フェースが開いたまま当たりにくいように作ったドライバーです。フェースが閉じる方向に動きやすいように、ヘッドの作りを変えてあります。

ドライバーの重心距離・重心角・重心深度の3つの数字
ドライバーの重心距離・重心角・重心深度の3つの数字

重心距離は「フェースが閉じる速さ」

重心距離とは、シャフトの中心線から、ヘッドの重心がどれだけ横に離れているかの長さです。この長さが短いヘッドほど速くくるっと閉じ、長いヘッドほど閉じるのが遅くなります。

竹とんぼを思い浮かべてみてください。軸だけの棒なら手のひらで簡単に回せますが、羽が付くと急に回しにくくなりますよね。重さが軸から遠くにあるからです。ドライバーのヘッドも、重心がシャフトから遠いほど、回すのに力が要ります。

ただし、竹とんぼのように手で回すわけではありません。ドライバーでは、重心距離が短いか長いかで、「返そうとしたときに、ヘッドがどれだけ素直についてくるか」が変わります。

最近のドライバーだと、重心距離は平均40mmくらいです。38mmより短ければ短め、42mmより長ければ長め、というのがひとつの目安です。この数字は、ゴルフ雑誌の計測記事やギアカタログで調べられます(調べ方は「よくある質問」に書きました)。

重心角は「フェースが閉じようとする力」

重心角は、自分で確かめられます。クラブを机の上に置いて、ヘッドだけを机の外に出してみてください。フェースが少し上を向くはずです。この傾きが重心角です。

この傾きが大きいヘッドほど、スイング中にフェースが自然と閉じる向きへ回ろうとします。パターでも、同じ置き方で傾きを見比べられます。目安としては、重心角がおおよそ25度を超えると、閉じようとする力が強い部類で、つかまるドライバーと呼ばれることが多くなります。ただ、重心角だけでつかまるかどうかが決まるわけではありません。

ソール側から見た重心角
ソール側から見た重心角

重心深度は「ぶれにくさ」

重心深度は、フェース面から見て、重心がヘッドの後ろ側へどれだけ奥にあるかです。奥にあるほど、芯を外したときにヘッドがねじれにくくなります。

重心が深いヘッドは、重心角も大きくなりやすいです。ここで「深い=つかまる」と思われるかもしれません。ところが、そうとは限りません。これは後半で、ゼクシオ9とG440 Kの2本を並べて確かめます。

3つをまとめると、重心距離は閉じる速さ、重心角は閉じようとする力、重心深度はぶれにくさです。つかまりやすさは、このうち閉じる速さと閉じようとする力の2つで見ていきます。

なぜ今のドライバーは「つかまる」とうたうの?

ヘッドが大きくなって重心距離が長くなり、フェースがゆっくりしか閉じないヘッドが増えたからです。メーカーはその分を、重心角を大きくするなど、別の作りで補ってきました。

ヘッドが大きくなると重心距離が長くなる

カタログを見ていると、どのドライバーにも「つかまる」と書いてあるように見えて、かえって選べなくなりますよね。

これには理由があります。ドライバーのヘッドは、昔より大きくなりました。大きなヘッドは慣性モーメントが上がるので、芯を外してもヘッドがぶれにくく、ミスに強くなります。ぶれにくいということは、それだけやさしいということです。

ただ、その代わりに重心がシャフトから離れて、重心距離が長くなりました。今のドライバーの重心距離が平均40mmくらいまで伸びたのは、このためです。ミスには強くなったけれど、フェースはゆっくりしか閉じなくなった、ということです。

長いシャフトも、開いて当たる原因になる

シャフトの長さも関係しています。今のドライバーは昔より長く、長いほどヘッドが手元から遅れて下りてきます。遅れたぶん、フェースは右を向いたままインパクトを迎えやすくなります。

ヘッドは大きく、シャフトは長く。両方が重なったことで、右に行きやすいクラブが増えました。スライスが出るのは、振り方だけの問題ではないかもしれません。

足りない分を重心角で補ってきた

ミスへの強さは手放したくない。でも、つかまりは取り戻したい。メーカーが選んだのは、ヘッドを小さく戻すのではなく、別の作りで補う道でした。

2005年から2015年にかけては、重心距離が長くなっていく一方で、重心角はほとんど変わっていませんでした。そのあと、メーカーは重心角を大きくして、ゆっくりしか閉じない分を、閉じようとする力で埋めるようになります。フェースが最初から少し左を向いたヘッドや、ライ角を立てたヘッドが増えたのも同じ流れです。

カタログに「つかまる」の文字が並ぶのは、こうした事情があるからです。その「つかまる」を実現している作りは、大きく4つに分けられます。

つかまるドライバーの作り4種類とは?

重心距離を短くする、重心角を大きくする、フェースを左に向けておく(フックフェース)、ライ角を立てる(アップライト)の4つです。どれにも長所と、気をつけたいところがあります。

作り どう効くか 良いところ 気をつけたいところ
①重心距離が短い 返そうとしたときに、ヘッドが速く閉じる 返したいときにヘッドがついてくる 返す動きがないと効かない。右にも左にも出やすい
②重心角が大きい 返さなくても、閉じる方向へ動く 自分で返さなくても閉じる。球が上がりやすい 上がりすぎ・スピンが増えやすい。FWと球筋がそろいにくい
③フックフェース 最初から左を向いている いちばん分かりやすく効く 顔を嫌がって開く人がいる。閉じる動きが身につきにくい
④アップライトなライ角 トゥが浮いて、つま先上がりと同じ理屈で返る 構えを変えずに効く 手元を上げて構え直すと消える。ロフトが立つと効きが小さい

①だけが「返す動きを助ける」作りで、②〜④は「返さなくても閉じる」作りです。この違いが、あとで自分に合う1本を選ぶときの分かれ目になります。

つかまるドライバーの4つの作りと良いところ・気をつけたいところ
つかまるドライバーの4つの作りと良いところ・気をつけたいところ

①重心距離が短いヘッド

先ほどの竹とんぼなら、羽を短く切ったような作りです。回すのに力が要らないので、返そうとしたときにフェースがすばやく閉じます。

手でフェースを返す人にとっては、思ったとおりにヘッドが動いてくれるのが長所です。「操作しやすい」と評されるヘッドの多くは、この作りです。

一方で、このヘッドは閉じる手助けをするだけで、自分から閉じにはいきません。返す動きのない人が使っても、球筋はあまり変わりません。手の小さな動きにも敏感に反応するので、右と左の両方に散りやすい面もあります。

例を挙げると、ブリヂストンのツアーB XD-3は重心距離が31.6mmです。平均より10mm近く短い作りです。最近のモデルでは、ミニドライバーと呼ばれる小ぶりのドライバーもこの作りに入ります。

重心距離が長いヘッドはゆっくり閉じ、短いヘッドは速く閉じる
重心距離が長いヘッドはゆっくり閉じ、短いヘッドは速く閉じる

②重心角が大きいヘッド

机の端から出したとき、フェースが大きく空を向くタイプです。振っている間、重心はシャフトの延長線上に戻ろうとします。その動きにつられて、フェースが閉じていきます。

手で返さなくても、クラブが勝手に閉じにいってくれる。ここがいちばんの長所です。重心を深くしてあるヘッドが多く、球が高く上がりやすいのもこのタイプです。

その裏返しで、高さが出すぎたり、回転数が増えて吹き上がったりすることがあります。フェアウェイウッドと球筋がそろわなくなることもあります(理由は「よくある質問」に書きました)。

例としては、ヤマハのインプレスUD+2が重心角33度(メーカー公表)です。先ほどの目安の25度を大きく超えています。

ちなみに、PINGのG440 Kも重心角は35.3度と、かなり大きい作りです。「つかまりを抑えたヘッドなのに?」と思われたかもしれません。ここは、このあと実物の2本で確かめます。

重心角が大きいヘッドは、振ると重心がシャフトの線に並ぼうとして閉じる方向に回る
重心角が大きいヘッドは、振ると重心がシャフトの線に並ぼうとして閉じる方向に回る

③フックフェース

ソールを置いて構えたとき、はじめからフェースが目標より少し左を向いているヘッドです。

4つの中で、効き目がいちばん素直に出ます。インパクトで多少開いても、もともと左を向いているぶんが差し引かれるので、右へのミスが減ります。

ただ、左を向いたフェースを見ると「引っかけそう」と感じる人もいます。その違和感から、無意識にフェースを開いて当ててしまうと、フックフェースなのに球は右へ。もう1つ、クラブ任せでつかまえ続けると、自分でフェースを閉じる感覚はなかなか育ちません。

上から見たスクエアとフックのフェースの向きと球筋
上から見たスクエアとフックのフェースの向きと球筋

④アップライトなライ角

ライ角とは、ソールを地面に置いたときのシャフトの傾きです。アップライトはシャフトがより立った作りで、構えるとヘッドの先(トゥ)が少し浮きます。つま先上がりの斜面から打つと球が左に行きやすいのと同じ理屈で、フェースが左を向きやすくなります。シャフトが長いクラブでは、同じ手の高さで構えたときにシャフトが寝るぶん、トゥはさらに浮きます。

いつもどおり構えれば効くので、スイングを変えなくていいのが長所です。

ところが、トゥの浮いた見た目を嫌って、手元を高くして構え直す人がいます。そうするとトゥが下りて、せっかくのライ角が打ち消されます。もう1つ、ロフトの少ない(立った)ヘッドでは効き目が小さくなります。ロフトが少ないと、トゥが浮いてもフェースの向きがあまり左に変わらないからです。

1本の中で、いくつもの作りを組み合わせているモデルもあります。ゼクシオ14は、フェースが2.0度のフック。ライ角は60.5度で、前作の59.5度より立ててあります。重心距離も40.1mmと、前作より1.6mm縮めてあります。③と④を中心に、①の方向へも少し寄せた作りです。

アップライトなライ角ではトゥが浮き、ヘッドが返りやすい
アップライトなライ角ではトゥが浮き、ヘッドが返りやすい

重心角が大きいのにつかまらないのはなぜ?

つかまりは、1つの数字では決まらないからです。閉じる速さ(重心距離)と、閉じようとする力(重心角)と、構えたときのフェースの向き(フェース角)。この組み合わせで決まります。

手元の2本を、机に並べてみる

運営者の手元にあるゼクシオ9とG440 Kを、机に並べてみました。

ゼクシオはつかまりやすさで知られるヘッド、G440 Kはつかまりを抑えた作りのヘッドです。ところが、ヘッドを机の外に出すと、フェースがより上を向いているのはG440 Kのほうです。

G440 Kとゼクシオ9を並べ、ヘッドの傾きを比べた写真
G440 Kとゼクシオ9を並べ、ヘッドの傾きを比べた写真

数字でも同じです。重心角はG440 Kが35.3度、ゼクシオ9が29.5度で、閉じようとする力はG440 Kのほうが強い作りです。

違いを作っているのは重心距離

では、なぜゼクシオ9のほうがつかまるのでしょうか。答えは、おもに重心距離です。

ゼクシオ9 G440 K
重心角 29.5度 35.3度
重心距離 34.5mm 43.7〜46.0mm
重心深度 39.6mm 50.6mm

※重心の数字はゴルフ雑誌・ギアカタログの実測値です(ゼクシオ9は10.5度のヘッド)。G440 Kの重心距離は、計測によって43.7mmと46.0mmの2つの値があるため幅で書いています(出典は記事の終わり)。

ゼクシオ9の重心距離は34.5mmで、短めの目安の38mmより短い作りです。G440 Kは43.7〜46.0mmで、長めの目安の42mmを上回ります。差は10mm前後で、羽の長さがまるで違う竹とんぼのようなものです。加えてゼクシオ9は、フェースも少しフックになっています。短い重心距離とフェースの向きが、どちらもつかまる方向に働いています。

重心深度も、G440 Kは50.6mmと、ゼクシオ9の39.6mmより10mm以上深い作りです。重心が深いと重心角は大きくなりやすいのですが、それでつかまるかどうかは別の話だということが、この2本からも分かります。

G440 Kとゼクシオ9の重心距離の答え合わせ。G440 Kはゆっくり閉じ、ゼクシオ9は素早く閉じる
G440 Kとゼクシオ9の重心距離の答え合わせ。G440 Kはゆっくり閉じ、ゼクシオ9は素早く閉じる

「閉じたがるけど遅い」と「力は弱いけど速い」

2本の性格を一言でいうと、G440 Kは「閉じたい気持ちは強いのに、動きがのんびりしたヘッド」。ゼクシオ9は「閉じたい気持ちはほどほどでも、動きが速いヘッド」です。インパクトまでの短い時間では、速く動くほうがより多く閉じて当たります。

重心角だけを見て選ぶと、ここを取り違えます。カタログやレビューで重心角が大きいと書かれていても、重心距離が長ければ、実際にはそれほどつかまりません。重心角を見たら、重心距離とフェースの向きもセットで見てください。そうすれば、そのヘッドが「速く閉じる」寄りか「閉じたがる」寄りかの見当がつきます。

G440 Kを実際に打った結果は、PING G440 Kドライバー評価にまとめています。

自分に合うつかまる作りはどれ?

フェースを返す動きがある人は①の重心距離が短いヘッド、開いたまま下りてくる人は②〜④の作りが合います。フックや引っかけが出る人は、4つの逆の作りを選びます。

フェースを返しながら打つ人は、①が助けになる

切り返しから手首を使ってフェースを閉じていく人には、重心距離が短いヘッドが合います。閉じる動きに対して、ヘッドが遅れずについてくるからです。

ただし、返す動きが強い人には、重心距離が短いヘッドが効きすぎて、今度は左に行くこともあります。

運営者の持ち球はドローで、フェースを返す動きがあるタイプです。重心距離の短いゼクシオ9をインサイドアウトで振ると、ほぼまっすぐに出て、そこから強めのフックになります。重心距離の長いG440 Kなら、同じように振っても右に出て、軽いドローで止まります。

これには理由があります。球が出る方向は、フェースの向きで決まります。曲がり方は、フェースの向きとヘッドの通り道のズレで決まります。

ゼクシオ9の場合に当てはめてみます。インサイドアウトで振ると、ヘッドの通り道は右を向きます。そこに重心距離が短く、フェースも少しフックのヘッドを使うと、フェースは目標方向までしっかり閉じてしまいます。この「右向きの通り道」と「まっすぐなフェース」のズレが大きいほど、フック回転は強くなります。こうなったときは、すぐあとの「つかまりすぎて左に行く人」の選び方が当てはまります。

ゼクシオ9はほぼまっすぐ出て強いフック、G440 Kは右に出て軽いドロー
ゼクシオ9はほぼまっすぐ出て強いフック、G440 Kは右に出て軽いドロー

開いたまま下りてくる人は、②〜④が合う

一方、フェースを開いたままインパクトを迎える人には、①はあまり働きません。閉じる動きを助ける作りなので、閉じる動きそのものがないと出番がないからです。

この場合は、振り方を変えなくてもクラブ側でフェースを閉じてくれる作りを選びます。重心角が大きいヘッド(②)、フックフェース(③)、アップライトなライ角(④)です。1つだけでも効きますが、ゼクシオ14のようにいくつかを少しずつ重ねたモデルもあります。

3つのどれから試すかは、気になる点で絞れます。球が上がりすぎるのが嫌なら、③のフックフェースか④のアップライトから。左を向いた顔が気になるなら、②の重心角が大きいヘッドか④のアップライトから。トゥが浮いた見た目が気になる人は、②か③が候補です。

「自分がどっちか分からない」という方は、球筋を見ればだいたい分かります。右に出て、さらに右に曲がる球が多いなら、フェースが開いたまま当たっているタイプです。左に出てから右に曲がる球も、ヘッドの通り道よりフェースが開いて当たっているので、同じタイプに入ります。どちらも②〜④の作りが合います。逆に、まっすぐか左に出て、そこから左に曲がる球が出るなら、返す動きがあるタイプだと考えられます。先ほどの運営者のゼクシオ9の球筋が、ちょうどこれです。

つかまりすぎて左に行く人は、4つの逆を選ぶ

最初に紹介したQ&Aサイトの悩みのように、つかまるドライバーに替えたら左のミスが増えた。こういう方に合うのは、4つの逆の作りです。

具体的には、重心距離は長め、重心角は小さめ。フェースはスクエアで、ライ角はフラット寄りです。こうしたヘッドは、フェースがゆっくり閉じるので、返しすぎても左に行きにくくなります。シャフトでつかまりを抑える方法は、このあとの「買った後につかまりを足す方法はある?」で説明します。

左のミスが出ても、クラブやスイングが悪いとは限りません。つかまえる力が、振り方に対して少し強すぎるだけかもしれません。逆の作りのヘッドに替えるだけで、収まることもあります。

買った後につかまりを足す方法はある?

可変ウェイト・鉛・シャフトの3つで変えられます。ただ、ヘッドの作りそのものが変わるわけではないので、つかまり方を大きく変えたいなら、ヘッドから選び直すほうが早いです。

可変ウェイトをヒール側に動かす

ソールに、位置を付け替えられるおもりが付いたドライバーが増えています。

PINGのG440 SFTを例にとると、おもりは23gです。これを標準の位置からヒール寄りのDrawの位置に付けると約13ヤード、さらにヒール寄りのDraw+の位置なら約20ヤード、球筋が左へ寄るように作られています。

おもりをヒール側へ動かすと、ヘッドの重心もシャフトに近づきます。重心距離がわずかに縮み、重心角もわずかに増える。①と②の作りを、買ったあとで足せるということです。

鉛で変わるのは、重心角が少しと振り心地

「ヒールに鉛を貼ればつかまる」という話も、よく聞きます。

貼れば振り心地は確かに変わります。ただ、ヘッド全体の重さから見ると鉛はごくわずかなので、重心距離はほとんど変わりません。変わるのは、重心角がわずかに増えることと、手に伝わる重さの感じくらいです。

そのわずかな重さでも、何枚も重ねればヘッドは重くなります。振り遅れて、逆に右へ出ることもあります。試すなら、ごく少量で十分です。

シャフトでつかまりを足す・抑える

ヘッドだけでなく、シャフトでもつかまり方は変わります。見るところは2つで、しなる場所とねじれやすさです。先端側がしなる「先調子」はヘッドを走らせてつかまりやすく、手元側がしなる「手元調子」はつかまりを抑えます。

ねじれやすさは、カタログの「トルク」という数字で見られます。数字が大きいシャフトほどインパクトでヘッドが返りやすく、小さいほど返りにくくなります。たとえばゼクシオ9に付いているシャフトは、トルク6.2です。

つかまるヘッドに、つかまるシャフトを組み合わせると、つかまりは強くなります。つかまりすぎる人は、つかまりにくいシャフトを組み合わせるのも1つの方法です。

よくある質問

フックフェースなのに右に行くのはなぜ?

フェースが左を向いて見えることに、体が反応しているのかもしれません。「せっかくフックフェースにしたのに」と思うかもしれませんが、まずは構えたときに違和感がないかを確かめてみてください。違和感があるなら、それが原因の見当になります。気になるなら、スクエアに近い顔のヘッドで、重心角の大きいものを選ぶ手があります。

ドライバーとフェアウェイウッドで球筋がそろわないのは?

原因の1つは、2本の重心角の差です。フェアウェイウッドはドライバーに比べて重心角の小さい作りが多いため、同じスイングでもつかまり方が違ってきます。ドライバーだけ重心角の大きいヘッドに替えると、球筋の差が出やすくなります。ドライバーだけ左に行くなら、スイングより先に、2本の作りの差を疑ってみてください。スイングをいじる前に、クラブ側で試せることがあります。

ロースピンのドライバーにするとスライスは減る?

減るのは縦の回転で、横の回転は変わりません。スライスの原因は、当たる瞬間にフェースが開いていることなので、スピン量を減らしても右に曲がる球そのものは残ります。「スピンが減れば曲がりも減るのでは」と思われがちですが、スライスを止めたいなら、見るべきはロースピンかどうかより、つかまえる作りのほうです。

重心角や重心距離はどこで調べる?

ゴルフ雑誌の計測記事や、ギアカタログの計測値で調べられます。メーカーが公表していることもあります。ただし、同じモデルでも計測によって数mm違うことがあります。たとえばG440 Kの重心距離には、43.7mmと46.0mmの2つの数字があります。最近のドライバーの重心距離は平均40mmくらいなので、1つの数字にこだわりすぎず、それより短いか長いか、という見方で十分です。

「やさしいドライバー」はつかまる?

同じではありません。やさしさには、つかまる・上がる・曲がらない、といった種類があります。たとえばG440 Kは、重心が深く、芯を外してもぶれにくいことを重視したやさしいドライバーです。ただ、重心距離が平均より長いので、つかまりは強くありません。「やさしい」と書いてあったら、どの種類のやさしさなのかは、重心距離と重心角を見れば分かります。

まとめ

  • つかまるドライバーの作りは4つです。重心距離が短い・重心角が大きい・フックフェース・アップライトなライ角
  • フェースを返す動きがある人は、重心距離が短いヘッド(①)。開いたまま下りてくる人は、重心角が大きい・フックフェース・アップライト(②〜④)の作り
  • つかまりは1つの数字では決まりません。重心角が大きくても、重心距離が長ければゆっくり閉じます
  • つかまりすぎて左に行く人は、4つの逆を選びます。可変ウェイト・鉛・シャフトで少し調整することもできます

カタログの「つかまる」という言葉だけで選ばず、そのドライバーがどうやってつかまえているのかを見てみてください。重心角と重心距離の2つに、構えたときのフェースの向きを添えて見れば、だいたいの見当はつきます。

合わないドライバーを選んでしまったのは、振り方が悪かったからとは限りません。つかまえ方と振り方の組み合わせが違っていただけです。自分の振り方に合う作りが分かれば、次の1本を選ぶときの迷いは減ると思います。

つかまるドライバーの4つの作りのまとめ
つかまるドライバーの4つの作りのまとめ



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