「100は切れるようになって、最近は90台もよく出るようになった。ただ、それでもなかなか90が切れない」 そう感じている人は多いのではないでしょうか。
ベストスコア80台といえば、ゴルファーにとってひとつの達成ラインです。
だからこそ90切りを目指していても、なかなかうまくいかないと苦しくなりやすいと思います。
実は、初めて90を切るためにはコツがあります。
ただ何となく「ボギーペースで回ろう」と考えるだけではなく、ラウンド中の考え方や攻め方を少し変えるだけで、80台は十分に見えてきます。
この記事では、初めて90を切りたい人に向けて、現実的な考え方と具体的なコツをわかりやすく説明していきます。
- 「初めて90を切る人」と「安定して90を切る人」の違い
- 80台はパーとダボの数勝負で決まるという考え方
- ダボを打たない・パーを取り切るための13の具体的なコツ
- ラウンド前の準備で外せないチェックポイント
結論から言うと、初めて90を切るためにやることは、たった2つだけです。「ダボを打たない」ことと、「パーを取り切る」こと。
ボギーは、この2つを意識していると勝手についてきます。
「初めて90を切る人」と「安定して90を切る人」は別物
90切りを目指すときに、まず確認したいのが「自分はどちらのタイプか」ということです。
ここがそろっていないと、後の話が全部ズレてしまいます。
この2つは何が違うのか
「初めて90を切りたい」という人は、これからの数回のラウンドの中で、一度でも89以下を出せればOKです。
アベレージは90台でも、ときどき100を叩く日があっても構いません。今度のラウンドで一発出せれば達成です。
一方で「これから毎回90を切りたい」という人は、アベレージが80台でなければいけないということです。
調子が悪い日でも90を切れる安定感が必要になります。
ここが大きく違います。後者の方が、技術的にも考え方的にもはるかに難しいです。
ボギーを取りこぼさず、ときどきパーを混ぜる、というレベルが当たり前にできないと、アベレージで90は切れません。
安定して90を切る方法は、初めての90切りには合わない
世の中の90切り記事を読むと、両方を混ぜて書いているものが多くあります。
「パーオン率を上げよう」「フェアウェイキープ率を上げよう」「ショートゲームの精度を磨こう」といった助言は、よく見かける内容ではないでしょうか。
しかし、実際にはこれは安定して90を切るための話です。初めて90を切りたい人にとっては、目線が少し高すぎます。
そもそもパーオンを毎ラウンド何度も取れる人は、すでにアベレージで80台で回れる人です。
「これから初めて80台を出したい」という段階の人にとって、「パーオン率を上げましょう」という助言は、現実的ではありません。
この記事では、初めて90を切るための、もっと現実的な考え方を取ります。それが次の章でお話しする「パーとダボの数勝負」という発想です。
90切りはどのくらい難しいのか
ここで少しデータを置いておきます。
日本パブリックゴルフ協会の調査では、平均スコアで80台以下のゴルファーは全体の約2割と言われています。
100切りができているゴルファーが約3割ですから、100は切れるけれど90は切れない、というゾーンに多くのゴルファーが滞留している、ということになります。
ただ、これはあくまで「平均」の話です。1回でも切れれば、それが「初めての90切り」になります。
次のラウンドで切る可能性は誰にでもあります。まずは難しく考えすぎず、この記事でお伝えする考え方を参考にしてみてください。
なお、まだ100切りが安定していない方は、先に100切りのコツ・ダボでOK戦略を詳しく見るから読んでみてください。100切りの考え方が土台になっていると、この記事の内容も理解しやすくなります。
90切り(80台)はパーとダボの数勝負
初めて90を切るために、まず変えたいのがスコアの考え方です。
技術より先に、ここが整っていないとうまくいきません。
「全ホールボギーで90」だけでは、足りない
90切りについて調べると、ほぼすべてのサイトで出てくるのが「全ホールボギーで上がれば90」という考え方です。
これは数字としては正しいです。18ホールすべてをボギーで上がれば、ちょうど90になります。
ただ、これを「目標」にしてしまうと、現実のラウンドに合わなくなってきます。
実際のラウンドでは、ナイスショットが続いてパーが取れるホールもあれば、ティーショットを曲げてダボになるホールもあります。
全ホールをきっちりボギーで上がれる、というラウンドは、ほとんど起こりません。
それなのに「全ホールボギー」を目標にしていると、パーが出たら「想定外のラッキー」、ダボが出たら「もうダメだ」となってしまいます。
これでは、ラウンド中の判断が安定しません。
80台は「パーとダボの数勝負」で決まる
そこでおすすめしたいのが、80台はパーとダボの数勝負で決まるという考え方です。
ボギーをベースに置いたうえで、パーがダボより多ければ80台、ダボがパーより多ければ90台、という単純な引き算で考えます。
具体的に見てみましょう。
- パー4個・ボギー11個・ダボ3個 → 89(80台)
- パー5個・ボギー11個・ダボ2個 → 87(80台)
- パー7個・ボギー5個・ダボ6個 → 87(80台)
- パー2個・ボギー13個・ダボ3個 → 91(90台)
最後の例だけが90台です。違いはシンプルで、「パーがダボより多いか少ないか」だけです。
ダボを6個も叩いても、パーが7個取れれば87で上がれます。逆に、ダボが2個しかなくても、パーが2個しか取れなければ91になります。
この見方をすると、ラウンド中の捉え方がガラッと変わります。
この考え方だと、ラウンド中に折れにくい
「全ホールボギー」を目指していると、ダボが1つ出ただけで、計算上はもう90を切れなくなります。
実際にはそんなことはないのですが、頭の中ではそう感じてしまいます。
「パーとダボの数勝負」で考えていると、ダボが1つ出ても「あとでパーを1つ取り返せば五分」という発想になります。
逆にパーが先に出れば「ダボを1個までは打てる」という余裕が生まれます。
この余裕があるかないかで、ラウンド後半の判断が大きく変わります。
スコアが見え始めた終盤に欲を出して大叩きする、というパターンの多くは、この余裕のなさから起きています。
やることは「ダボを打たない」と「パーを取り切る」の2つだけ
パーとダボの数勝負だと分かれば、やることもシンプルです。
- ダボを打つ確率を下げること
- パーを取り切る場面を増やすこと
この2つだけです。ボギーは、この2つを意識していれば勝手についてきます。「ボギーをいかに取るか」を頑張る必要はありません。
実際、初めて90を切る段階の方は、放っておけばボギーになるショットの組み立てはすでにできていることが多いです。
問題は、その中に紛れ込んでくるダボと、取れたはずのパーを逃すことです。ここを整えていくのが、80台への一番の近道になります。
次の章では、この2つに取り組む前に、もう一つ大事な前提をお話しします。それが「90切りは技術以上に、コース上の判断で変わってくる」という話です。
90切りは技術以上に、コース上の判断で変わってくる
「ダボを打たない」と「パーを取り切る」。この2つを実行するために、もう一つ整理しておきたい前提があります。
それは、90切りは技術以上に、コース上の判断で変わってくるということです。
90台が出始めている人は、80台を出せる土台がある
少し意外に思われるかもしれませんが、90台が出始めている方は、80台を出せるだけの技術的な土台は、すでにできていることが多いです。
ティーショットで毎回フェアウェイに置けるかというと、そうではないかもしれません。アイアンで毎回ピンに絡めるかというと、そうでもないかもしれません。
それでも、100を切れるレベルにあるということは、ある程度のショットの再現性、距離感、グリーン周りの感覚は、すでに身についているということです。
ここから先に必要なのは、新しい技術を覚えることよりも、いま持っている技術を、コース上でどう使うかの判断です。これがコースマネジメントです。
100切り段階のコースマネジメントとは別物
ここで一つ、注意したい点があります。
100切りを目指す段階では、コースマネジメントという言葉は、正直なところ抽象的すぎます。
「センターを狙う」「ピンを狙わない」「ショートサイドを避ける」といった話を聞いても、そもそも狙ったところに打つ精度がまだ安定していないので、戦略として実行しにくいのです。
100切り段階でコースマネジメントの話があまり効かないのは、このためです。
ただ、90を切ろうとする段階になると、話が変わってきます。
ある程度狙ったところに打てる精度が出てきているからこそ、「どこを狙うか」の判断が、そのままスコアに直結するようになります。
狙う場所を1つ変えるだけで、ダボが1つ減る、パーが1つ増える、ということが現実的に起こります。
つまり、コースマネジメントは「100切りには早すぎたが、90切りには効く」というものなのです。
ここを混同せず、いまの段階ではしっかり使っていきたい考え方です。
コースマネジメントは「固定のルール」ではない
もう一つ大事なのが、コースマネジメントは固定のルールではない、ということです。
上位サイトの記事を読むと、「ドライバーは封印しましょう」「セカンドは刻みましょう」「ピンは狙わずセンターを狙いましょう」といった助言が並んでいます。
これらは、間違ってはいません。ただ、すべての場面に当てはめるルールではありません。
ドライバーが得意な人は、無理に封印する必要はありません。番手に自信があるホールでは、刻まずに狙ってもいいです。
3打目で短い距離が残っていれば、ピンを狙う設計に切り替えてもいいのです。
90切りに必要なのは、こうした「○○すべき」というルールを覚えることではなく、いま自分が立っている場面で、どの選択がダボを呼ばず、パーが視野に入るかを判断できるようになることです。
次の章からは、その判断を支える具体的なコツを、「ダボを打たない」「パーを取り切る」「ラウンド前の準備」の3つに分けてお話ししていきます。
初めて90を切るための13のコツ
ここからは、初めて90を切るために本当に必要な、現場で使える13のコツをお伝えしていきます。
「ダボを打たない」「パーを取り切る」「ラウンド前の準備」の3つに分けて、ラウンドの流れに沿って整理しました。
すべてを完璧にやろうとする必要はありません。自分に合いそうなものから取り入れてみてください。
第1章:ダボを打たない
80台で回るために、まず減らしたいのがダボです。ダボの数が減るだけで、スコアは想像以上にまとまります。
ダボが出てしまう原因は、ある程度パターンが決まっています。よくあるのは、次のようなケースではないでしょうか。
- ティーショットでOBを打ってしまう
- セカンドで2オンを狙ってバンカーや池に入れてしまう
- そこそこナイスショットを打ったのに、結果はバンカーやラフだった
- アプローチがグリーンを行ったり来たりしてしまう
- 寄ったあとに、もったいない3パットをしてしまう
このどれか1つでも減らせれば、ダボは1つ減ります。逆に言えば、ここを潰していくだけで80台は見えてきます。
コツ①:ティーショットは「ホールごとにクラブを変える」のが90切りの基本
ダボの一番大きな原因は、ティーショットのOBです。
ここで1つOBを出すと、そのホールはダボでも済まないことが多くなります。
100を切る段階では、「ドライバーで大怪我さえなければOK」で十分でした。ただ、80台で回ることを目指す段階になると、OBが1つ出るとせっかく取れていたパーの貯金が帳消しになってしまうので、もう少し丁寧に判断したいです。
90切りの記事ではよく「ドライバーは封印しましょう」と書かれていますが、これはドライバーが苦手な方には有効な助言です。
ただ、ドライバーが武器になっている方には、少しもったいない助言でもあります。
そこでおすすめしたいのが、ティーショットのクラブをホールごとに変えるという考え方です。
判断する基準は、そのホールにOBが絡むかどうかほぼ1つだけです。
両サイドにOBがない広いホールでは、ドライバーが得意な方は普段通りで構いません。一方、OBや池が絡むホール、フェアウェイが極端に狭いホールでは、スプーンやアイアンに切り替えます。
毎ホール「OBの匂いがするかどうか」だけを判断軸にすれば、十分に選び分けられます。これだけで、1ラウンドのOBは確実に減っていきます。
コツ②:セカンドは「2オンを狙って失敗」をしない
ダボの2つ目の原因が、セカンドショットでの2オン狙いの失敗です。
「あと200ヤード残っている。スプーンが入れば2オンを狙える」と思って打ったら、大きく曲げてOBや池、グリーン奥のバンカーに入る。
こうしたミスからのダボは、80台を狙う段階でもよく出てしまうのではないでしょうか。
上位サイトでよく見る「セカンドは無理せず刻みましょう」も、方向性としては正しいです。
ただ、すべての場面で刻むと決めてしまうと、パーチャンスを自分で減らしてしまうことになります。
90切りを目指す段階の方は、得意な番手であれば狙えるだけの技術はすでにあります。
そこで意識したいのが、セカンドは「番手への自信」と「失敗したときのリスク」の2つで判断するという考え方です。
番手に自信があり、失敗してもグリーン手前のフラットな場所に止まる場面なら、狙ってOKです。逆に、自信がない番手・バンカー絡み・グリーン奥がOBや池の場面では、刻む判断をします。
そして、刻むと決めたときに大事なのが、3打目で打ちたい距離から逆算して刻むことです。
「とりあえず100ヤードくらいまで」と曖昧に刻むと、苦手な距離が残ってしまうことがあります。たとえば3打目で50ヤードを残したい場合、150ヤード打つ番手を選ぶ。
これだけで、セカンドからのダボはぐっと減ります。
コツ③:「ピッタリの距離」を狙わない
3つ目に潰したいのが、そこそこナイスショットを打ったのに、結果が悪かったというミスです。
「グリーンまで残り60ヤード。ピンの手前にバンカー。ピンまでぴったり60ヤードの番手で打ったら、少し足りなくてバンカーに入った」。
こんな経験、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
ここで知っておきたい前提が、同じナイスショットでも距離はピッタリには揃わないということです。
「60ヤードを打つつもり」で打っても、ナイスショットでも実際の距離は50〜70ヤードくらいの幅で散らばるのが普通です。
つまり、ピンまでぴったり60ヤードのところに60ヤードのつもりで打つと、ナイスショットでもバンカーに入ってしまう可能性があるということです。
そこでおすすめしたいのが、自分のショットの散らばり幅を考えて、散らばってもセーフな場所を狙うという考え方です。
先ほどの場面なら、ピン奥7〜8ヤードを狙って打ちます。これだけで、ピン奥にOBや池がない限り、「そこそこナイスショットでバンカー」は無くなります。
これは100切り記事でお伝えした「1番手大きいクラブを軽く振る」の進化形です。
90切りを目指す段階では、自分のショットの散らばり幅を計算に入れて狙うところまで意識を上げていきたいです。
コツ④:アプローチは「グリーン行ったり来たり」を絶対に潰す
4つ目のダボの原因が、グリーン周りのアプローチでのミスです。
グリーンエッジまで運んだはずなのに、寄せのアプローチでトップしてグリーンの反対側のラフに突っ込み、また寄せて戻してまたオーバーする。
これだけで、ボギーで上がれたはずのホールが簡単にダボやトリプルボギーになります。
打ち方は100切り段階と同じで、9番アイアンかピッチングウェッジを短く持ち、ハンドファーストで肩でストロークする転がしが基本です。
「ピッチ&ランも覚えるべき」という助言もありますが、上げる球はミスの幅が大きいので、初めて90を切りたい段階では転がしを軸にしたほうが結果は出やすいです。
90切りを目指す段階で意識を1つ加えるとすれば、「グリーンに乗せる」だけでなく、次のパターを残せる場所に止めるという意識です。
下りのラインが残ると、寄っても2パットの確率が下がります。
寄せワンを狙って下りを残すよりは、少し遠くてもピンより手前(上り)に止めるほうが、結果的に2パット以内で収まりやすくなります。
そして、エッジから近い位置でラフが薄ければ、迷わずパターを選びます。
「ウェッジで上げる」「9番で転がす」「パターで打つ」の3択があったとき、より簡単な順に検討するのが、ダボを潰すための基本姿勢です。
コツ⑤:バンカーは「5ヤード」と「10ヤード」の2つを打ち分けられればOK
5つ目のダボの原因が、バンカーでの行ったり来たりです。
100切り段階では、バンカーは「ピンに寄せようとせず、まず1打で出すこと」が基本でした。
これは90切りを目指す段階でもほぼ同じです。寄せワンを狙う必要はありません。
ただ、90切り段階で1つだけ加えたいのが、5ヤードと10ヤードの2つの距離を打ち分けることです。
「5ヤード」「10ヤード」と言っても、ピッタリの距離である必要はありません。
5ヤードは3〜7ヤードくらい、10ヤードはそれより少し遠くに飛ばす程度で十分です。
「近いとき」と「ちょっと遠いとき」の2つの振り幅を持っているだけで、バンカーから大オーバーするミスはほとんど無くなります。
ラウンド前のバンカー練習場で、近い距離と少し遠い距離の2種類を打って、振り幅を確認しておくだけで十分です。
コツ⑥:もったいない3パットを潰す
ダボの最後の原因が、寄せたあとのもったいない3パットです。
ロングパットを大きくショート・オーバーしての3パットも問題ですが、80台を狙う段階で本当に減らしたいのは、1〜2メートル前後に寄せたあとの3パットです。
せっかくナイスパットでカップ近くまで寄せたのに、最後の1〜2メートルを「入れに行って」強く打ちすぎたり、慎重になりすぎてショートしたりする。
1ラウンドで2回これが出たら、それだけで90切りはぐっと遠のきます。
100切り段階の「2メートルのパットはドラム缶のイメージで打つ」は、90切りを目指す段階でもそのまま使えます。
直径50センチくらいのドラム缶に、奥の壁に当たらないように転がし入れるイメージで打つだけで、力みは消えます。
ただし、1メートル以内のパットは別です。ここはドラム缶ではなく、カップに入れる意識で打って構いません。
90切りを目指す段階の方なら、1メートル以内はしっかり構えて打てば十分に決められる距離です。
ここを外すと、1ラウンドで2〜3打を失うことになります。「外していい距離ではない」とは思っておきたいです。
第2章:パーを取り切る
ダボを潰す方法を整理してきましたが、80台で回るためには、もう一つやることがあります。それが、パーを取り切ることです。
「全ホールボギーで90」のままだと、ダボが1つ出ればその時点で90台になります。ダボが出ても80台で踏みとどまるには、パーを2〜3個取れる設計が必要です。
ここで大事なのが、「パーを取りに行く」ことと「パーを取り切る」ことは違うという点です。
「パーを取りに行く」は、グリーンを直接狙ったり、ピンに無理に寄せに行ったりする攻め方です。決まればパーですが、外すとダボになります。
これは80台を狙う段階では、むしろやりたくない攻め方です。
「パーを取り切る」は、外してもボギーで上がれる場所から、結果としてパーが取れる設計を作ることです。
失敗してもボギーで止まり、うまくいけばパーになる。ここからは、その具体的なコツをお伝えしていきます。
コツ⑦:50ヤード前後から3打で上がる技術を作る
80台で回るための核は、50ヤード前後から、乗せて2パット(=3打)で上がれることです。
これが安定する人は、必然的に80台で回れる回数が増えていきます。
パー4のホールで50ヤードを残してそこから3打で上がれれば、そのホールはボギー以上になりません。そして、3打目で寄ればパー、寄らなくてもボギー、という状態が作れます。
ボギーが「最低保証」になり、そこからパーが上に積み上がっていく形です。これが、第2章の冒頭で言った「パーを取り切る」設計の中身です。
50ヤードからの3打仕上げを安定させるには、練習場のフルショットだけでは足りません。
練習場では「50ヤードを乗せる」までしかできず、そこから2パットで沈めるところまでは練習できないからです。
そこでおすすめしたいのが、50ヤード前後のショートコースです。
ショートコースのグリーンは小さいので、毎回乗せようとする必要はありません。むしろ、外したときの寄せの練習ができるのが大きな価値です。
50ヤードを打つ練習と、外したときの寄せの練習を、1ラウンドで何度もできます。普段のラウンドではせいぜい数回しか出てこない場面を、何度も経験できる場所です。
コツ⑧:50ヤードを残す逆算で、ホールを組み立てる
50ヤードからのアプローチが安定してきたら、次はそこから逆算してホールを組み立てます。
たとえば320ヤードのパー4なら、ティーショットとセカンドの合計で270ヤード進めば、3打目を50ヤードから打てます。
ティーショット150ヤード+セカンド120ヤードでもいいですし、200ヤード+70ヤードでも構いません。
大切なのは、どれだけ飛ばすかではなく、3打目をどこから打つかです。
この発想で考えると、ティーショットで無理に飛ばす必要がなくなります。
OBが絡むホールなら抑えて打つ、得意な距離を残せるならその距離を選ぶ、という判断がしやすくなります。
「50ヤードを残せばいい」と考えるだけで、ダボを減らしながらパーチャンスを作りやすくなります。
ただし、すべてのホールで50ヤードを残せるわけではありません。距離の長いパー4では、無理に狙わず4オン2パットでダボに耐える設計に切り替えればOKです。
届くホールは50ヤードを残す、届かないホールは無理をしない。この切り替えが、90切りでは大切になります。
コツ⑨:自分の番手ごとの飛距離を把握する
50ヤードを残す逆算をするためには、もう一つ前提が必要です。それが、自分の番手ごとの飛距離を把握しておくことです。
「7番アイアンで何ヤード」「9番なら何ヤード」「ピッチングウェッジは何ヤード」。これが曖昧だと、コース上での逆算ができません。
3打目で50ヤードを残したい場面で「セカンドで120ヤード打ちたい」と思っても、120ヤードのクラブが何番か分からなければ選びようがないからです。
ここで一つ、よくある勘違いがあります。それは、自分の飛距離をナイスショットの距離で覚えてしまうことです。
「7番で150ヤード」と覚えていても、それが月に1回のナイスショットの距離であれば、実戦では使えません。
把握したいのは、そのクラブで普通に打ったときの平均距離です。
把握する方法は、距離表示のある練習場で各番手を10球ずつ打って、一番多く落ちている距離を覚えるだけです。
最近は弾道計測器を置いている練習場も増えてきました。1度測っておくだけで、その後のラウンドが格段に楽になります。
コツ⑩:3打目の設計を「乗せる」から「ピンを狙う」に変える
50ヤード前後の3打目をどう打つか。ここが、100切り段階と90切り段階で大きく変わってきます。
100切り段階では、9番アイアンで転がして安全に乗せる、という基本でした。「乗せられればOK」という基準にぴったりだったからです。
ただ、90切りを目指す段階になると、3打目への意識を1段上げたいです。
「グリーンに乗せて2パット」ではなく、寄せて1パットでパーが取れる場所に止めるというのが、90切り段階の3打目の理想です。
3打目はもともと残り距離が短い場面なので、ピンを狙っても大きく外すリスクは小さくなります。
グリーンセンターに5メートルのパーパットを残すよりも、ピン手前2〜3メートルに止めるほうが、パーが取れる確率は大きく変わります。
このために使いたいのが、ウェッジで距離をコントロールする打ち方です。
ただし、ピンがグリーンエッジ近くに切ってあるときは話が別です。
狙うとちょっとしたミスでバンカーやラフに入るので、無理せずグリーンセンターに乗せて2パットのボギーで止めます。
狙えるピンは狙う、危ないピンは乗せる。この使い分けができるようになると、3打目からのパー獲得率が目に見えて上がってきます。
コツ⑪:ロングパットは「1パット圏内に寄せる」を意識する
90切りを目指す段階のロングパットは、目標を1段上げたいです。
100切り段階では「3パット撲滅」が目標でした。10メートルのパットを2パットで沈められれば十分、という基準です。
ただ、80台で回るためには、ロングパットからのパーチャンスも作りたいです。
そこで意識したいのが、ロングパットを1パット圏内に寄せるという発想です。
「1パット圏内」は、自分が確実に決められる距離のこと。多くの方にとっては1メートル前後ではないでしょうか。
10メートルのパットを5メートルではなく1メートル前後まで寄せられるようになると、そこから1パットで沈むパーチャンスが一気に増えてきます。
寄せ方は、100切り記事でお伝えした振り幅を基準にする方法がそのまま使えます。
「靴2足分の振り幅で10メートル」のように、自分の中に基準の振り幅を1つ持っておき、当日のグリーンスピードに合わせて調整します。
「2パットでOK」から「1パットを狙える場所に止める」に意識が変わるだけで、パターのスコアはぐっと縮まります。
コツ⑫:1メートル以内のショートパットは絶対に外さない
ロングパットを寄せる意識と並んで大事なのが、寄せたあとの1メートル以内のショートパットを外さないことです。
これはコツ⑥でも触れましたが、改めてコツとして立てておきたいくらい、80台を狙う段階では大事な部分です。
意識したいのは、1メートル以内のパットを「決めるべき距離」と認識しておくことです。
「入ればラッキー」ではなく、「外したらもったいない」と捉える。この認識の差が、ラウンド中の集中力に影響します。
打ち方のコツは、強めに打ってカップの真ん中を狙うことです。
弱く打ってラインに乗せて入れようとすると、わずかな読みのズレで届かないこともあります。
「カップの奥の壁にぶつけるイメージ」で打つと、ラインのズレに強くなり、決まる確率が上がります。
第3章:ラウンド前の準備
ここまでの12個のコツは、コース上での考え方と打ち方の話でした。
最後にもう1つ、80台で回るために絶対に外したくないのが、ラウンド前の準備です。
ラウンド当日の朝、どう過ごすかで、その日のスコアは2〜3打、簡単に変わります。
コツ⑬:アプローチ・バンカー練習場と練習グリーンに必ず触る
100切り記事と同じことをお伝えしますが、80台を狙う段階でもまったく同じくらい大事です。
むしろ、目標スコアが上がる分、ラウンド前の準備の重要度はさらに増します。
最低でも30分以上前にゴルフ場に着いて、次の3つを必ず触っておきたいです。
アプローチ練習場で、転がしのアプローチを10球。9番アイアンかピッチングウェッジで、グリーンに乗せる感覚を確認します。
バンカー練習場で、5ヤードと10ヤードの振り幅を5球ずつ。砂が締まっている日と柔らかい日で、振り幅の感覚は変わってきます。
練習グリーンで、ロングパットの基準振り幅と、1メートル前後のショートパットを5〜10球。当日のグリーンスピードと自分の振り幅の対応関係を、ここで紐付けておきます。
この3か所を10〜15分ずつ触るだけで、本番でのアプローチ・バンカー・パターのミスが目に見えて減ります。
90切りに関するよくある質問
毎ホールパーオンする必要はありません。
初めて90を切る段階では、ボギーオン(3オン)を基準に組み立てて、結果的にパーオンできるホールが2〜3個ある、というイメージで十分です。第2章でお伝えしたように、3打目で50ヤードを残す設計ができていれば、そこからパーが取れる場面は自然に出てきます。毎ホールパーオンを目指すのは、安定して90を切る段階(=アベレージ80台)に入ってからの話です。
苦手な方は封印したほうが結果は出やすいです。ただ、得意な方は無理に封印する必要はありません。
判断軸は、そのホールでドライバーを使うとOBが絡むかどうかです。両サイドが広いホールでドライバーを得意としている方が封印するのは、もったいないだけです。一方で、OBや池が絡む狭いホールでは、得意な方でもスプーンやアイアンに切り替えたほうが安全です。
距離表示のある練習場で、各番手を10球ずつ打って、一番多く落ちている距離を覚えるのが一番シンプルです。
このときに大事なのが、ナイスショットの距離ではなく平均の距離を把握することです。「7番で150ヤード」と覚えていても、それが月に1回のナイスショットの距離なら、コース上では使えません。最近は弾道計測器を置いている練習場も増えてきたので、1度測っておくと格段に楽になります。
50ヤード前後を打つ練習と、外したときの寄せの練習が、両方とも一気にできることです。
ショートコースのグリーンは小さいので、毎回乗せようとする必要はありません。外したときの寄せ方を練習する場として捉えると、80台を狙うために必要な3打仕上げの感覚が身につきます。普段のラウンドでは数回しか出てこない場面を、1ラウンドで何度も経験できます。
80台を狙う段階の方には、その傾向は強いと言えます。
練習場でフルショットを100球打っても、80台を狙う段階で一番伸ばしたい「50ヤード前後の3打仕上げ」の練習にはなりません。ただ、番手ごとの飛距離把握のためには練習場も必要です。「どこに練習時間を投資するか」を考えるなら、ショートコースの優先度はかなり高い、というイメージです。
初めての90切りを達成できたら、次の目標は安定して90を切る(=アベレージで80台)ことになります。
ここからは、本記事でお伝えした考え方だけでは足りなくなります。毎ラウンド80台を出すためには、技術的な精度を上げること、苦手な番手をなくすこと、毎回ボギーを取り切れる安定感を作ることが必要になってきます。安定して90を切る段階の話は、別の記事で解説する予定です。まずは1回目の90切りを達成することに集中してください。
まとめ|まずは「ダボを打たない」と「パーを取り切る」の2つから
ここまで、初めて90を切るための考え方と13のコツをお伝えしてきました。
最後に、ポイントを整理しておきます。
90切り(80台)はパーとダボの数勝負
何より大切なのは、80台はパーとダボの数勝負で決まるという考え方です。「全ホールボギー」を目指す必要はありません。
ボギーをベースに置いて、パーがダボより多ければ80台、それだけです。
ダボが3個出ても、パーが4個取れれば87で上がれます。完璧なラウンドを目指す必要はありません。
やることは「ダボを打たない」と「パーを取り切る」の2つだけ
技術的にやることは、たった2つです。
ダボを打たないためには、ティーショットでOBを出さない判断、セカンドで2オン狙いの失敗をしない判断、ピッタリの距離を狙わない設計、アプローチでグリーンを行ったり来たりしない打ち方、もったいない3パットを潰す意識。
この5つを徹底します。
パーを取り切るためには、50ヤード前後から3打で上がる技術を作り、そこから逆算してホールを組み立てます。
3打目はピンが狙える場面では狙い、危ない場面ではセンターに乗せて2パットでボギーに止めます。
ロングパットは1パット圏内に寄せ、ショートパットは絶対に決める。
ボギーは、この2つを意識していれば勝手についてきます。
ラウンド当日にやってほしいこと
最後に、次のラウンドで必ずやってほしいことが3つあります。
- 30分以上前にゴルフ場に着く
- アプローチ・バンカー練習場で10〜15分触る
- 練習グリーンで基準振り幅と1メートルのショートパットを確認する
これだけで、本番でのショートゲーム・パターのミスがかなり減ります。
1回切れれば、それが「初めての90切り」
90切りは、ゴルフを続けていく上で大きな節目です。
100切りができてから、なかなか切れないと感じている方も多いと思いますが、必要なのは新しい技術ではありません。
すでにある技術を、コース上でどう使うかの判断を整えるだけです。
「平均で80台を出せるのは全体の2割」というデータがありますが、見方を変えれば、考え方と攻め方を整えるだけで、上位2割に入れるということです。
次のラウンドで、ぜひこの記事のコツを試してみてください。1回切れれば、それが「初めての90切り」です。
初めて90を切るためのまとめ
- 「初めて90を切る人」と「安定して90を切る人」の戦略は別物
- 80台はパーとダボの数勝負で決まる(パー>ダボなら80台)
- やることは「ダボを打たない」と「パーを取り切る」の2つだけ
- ティーショットはホールごとに「OBが絡むか」で番手を変える
- セカンドは「番手への自信」と「失敗時のリスク」で判断
- 50ヤード前後から3打で上がる技術が80台の核
- ロングパットは1パット圏内、1メートル以内は絶対に決める
- ラウンド前にアプローチ・バンカー・練習グリーンを必ず触る
1回切れれば、それが「初めての90切り」。次のラウンドで試してみてください。
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