ゴルフの打ちっぱなしのカロリー|1時間で約210kcalの根拠

この記事の結論

  1. ゴルフの打ちっぱなし1時間のカロリーは、体重60kgで約210kcal。普通のウォーキング1時間とだいたい同じ
  2. 計算は「3.5メッツ×体重(kg)×時間(h)」の1本だけ。公的なメッツ表に「打ちっぱなし場」の項目がある
  3. カロリーを決めるのは球数より時間。「1球1kcal」に確認できる根拠はない
  4. 打ちっぱなしだけで大きく痩せるのはむずかしいが、運動不足解消には十分な強度

打ちっぱなしって、運動になるんだろうか。

ゴルフを始めてから、ふとそう思ったことはないでしょうか。ゴルフの打ちっぱなしのカロリーを調べてみると、「1球1kcal」というサイトもあれば「1時間で400kcal」というサイトもあって、どれを信じていいのか分かりません。

実は、もとになる公的なデータは1つで、式もかけ算1本です。この記事では、その数字の出どころから、体重別の早見表、ラウンドや他の運動との比較まで順にまとめていきます。

目次

ゴルフの打ちっぱなしのカロリーは1時間でどれくらい?

打ちっぱなし1時間の消費カロリーは、体重60kgの方で約210kcalです。運動の強さを表す公的なメッツ表に「ゴルフ練習場(打ちっぱなし場)」という項目がそのまま載っていて、その値が3.5メッツ。これに自分の体重と時間を掛けるだけで、自分の数字が出せます。

同じ数字を調べていても、知りたいことは大きく2つあると思います。ダイエットのために「何kcal減るのか」を知りたい方と、運動不足の解消として「これは運動のうちに入るのか」を確かめたい方です。目的が違うと数字の見方も変わってくるので、この記事では両方に答えていきます。まずは数字の出どころから確認していきます。

計算式は「メッツ×体重×時間」の1本だけ

メッツというのは、安静に座っている状態を1として、その何倍のエネルギーを使うかを表した単位です。厚生労働省の健康情報サイトでも使われている、運動強度の物差しになります。

式と聞くと身構えてしまいますよね。でも、使うのは本当にこれだけです

消費カロリー(kcal)=メッツ値×体重(kg)×時間(h)

この式とメッツの値は、国立健康・栄養研究所が公開している「身体活動のメッツ(METs)表」の改訂第2版(2024年改訂)に載っています。この表に「ゴルフ:小規模のゴルフ(ミニゴルフ)、ゴルフ練習場(打ちっぱなし場)」という項目があり、値は3.5メッツです。打ちっぱなしそのものの項目が、公的な資料に最初からあるわけです。

体重60kgの方が1時間打つなら、3.5×60×1=約210kcal。これが冒頭の数字の中身です。

打ちっぱなしの消費カロリーの計算式。3.5メッツ×体重(kg)×時間(h)のかけ算1本で、3.5メッツは公的なメッツ表の「打ちっぱなし場」の値。体重60kgの人が1時間打つ場合は3.5×60×1で約210kcalになる
式はこれ1本です。自分の体重を入れれば、自分の数字が出ます

「×1.05を掛ける式を見たことがあるけど?」と思われた方もいるかもしれません。係数を掛ける流儀の式もネットにはありますが、大元のメッツ表の解説に書かれているのは上の形です。差は数%なので、目安として使う分にはどちらでも大きくは変わりません。

体重別・時間別の早見表(50〜80kg)

自分の体重に近い行を見てください。

体重 30分 1時間 1時間半
50kg 約88kcal 約175kcal 約263kcal
60kg 約105kcal 約210kcal 約315kcal
70kg 約123kcal 約245kcal 約368kcal
80kg 約140kcal 約280kcal 約420kcal

※3.5メッツ×体重×時間で計算した理論値です(メッツ値の出典: 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版)。

見てのとおり、体重が重い方ほど、そして長く打つほど消費は大きくなります。逆に言えば、体重の軽い方は同じ1時間でも数字は小さめに出ます。「思ったより少ない」と感じたかもしれませんが、この数字が多いのか少ないのかは、あとで他の運動と比べると見えてきます。

100球打つと何キロカロリー消費する?

先に答えを言ってしまうと、「100球で何kcal」という計算は、実は成り立ちません。消費カロリーを決めているのは球数ではなく、体を動かしていた時間だからです。

打ちっぱなしのカロリーを決めているのは、いわばタイマーです。何球打ったかに関係なく、体を動かしていた時間の長さで積み上がっていきます。打席に座ってスマホを見ている時間はカウントされません

といっても、1球ごとの待ち時間まで細かく引く必要はありません。3.5メッツという値は、構え直しや球待ちも含めた練習全体の強度なので、式に入れる時間は打席で練習していた時間そのままで大丈夫です。長めの休憩だけ引いてください。

では100球にどれくらい時間がかかるのか。初心者の方が丁寧に打つと、1時間で50〜100球くらいが目安になります。つまり100球なら1〜2時間。体重60kgの方なら約210〜420kcalです。

同じ100球でも、かかった時間しだいで数字が倍違う。「100球も打ったんだから、それなりに減っていてほしい」と思いたくなりますが、球数を数えるより、練習場にいて体を動かした時間で見るほうが、実際の数字に近づきます

「1球1kcal」という数字は本当?

はっきりした根拠は確認できませんでした。この数字を載せているサイトを5つ確認しましたが、どこも出どころを示しておらず、「〜と言われています」という形で伝わっているだけの数字です。

検算もしてみます。メッツ表ベースの計算では、体重60kgで1時間=約210kcal でした。1球1kcalの数え方とつじつまが合うのは、1時間に200球くらいのハイペースで打ち続けた場合だけです(210kcal÷200球≒1kcal)。初心者のペース(1時間50〜100球)なら、1時間分の約210kcalを球数で割ると1球あたり2〜4kcal。1球1kcalでは、実際より小さく見積もることになります。

「1球1kcal」の検算。体重60kgで1時間は約210kcal。1時間に200球打つペースなら1球あたり約1kcalになるが、初心者のペースである1時間50〜100球なら1球あたり2〜4kcalになる。カロリーは球数ではなく時間で決まる
同じ100球でも、かかった時間で1球あたりの数字は変わります

もう1つ、数字がバラつく背景として知っておきたいことがあります。メッツ表の打ちっぱなしの値は、以前の版(2012年改訂版)では3.0メッツでした。それが2024年の改訂で3.5メッツに引き上げられています。体重60kgで計算すると、旧版なら約180kcal、今の版なら約210kcal。ネットの数字がこのあたりでばらつくのは、この新旧の差も影響していそうです。

「1時間で400kcal」のような大きい数字も見かけますが、体重や時間の前提が書かれていないことがほとんどです。前提の分からない数字より、自分の体重で計算した数字のほうが確かです。

1球1kcalという覚え方を使うなら、「少なくとも100球で100kcalは使っている」という最低ラインの見当までにしておくのが安全です。カロリーを目当てに通うなら、「何球打ったか」より「何時間体を動かしたか」で数えるほうが、実際に近い数字になります。

ラウンドと比べるとどっちがカロリーを使う?

1時間あたりの強度で言えば、実は引き分けです。メッツ表では、カートに乗って回るラウンドは3.5メッツで、打ちっぱなしとまったく同じ値になっています。差がつくのは強度より、かかる時間のほうです

ゴルフの形態 メッツ 60kg・1時間あたり
打ちっぱなし 3.5 約210kcal
ラウンド(電動カート) 3.5 約210kcal
ラウンド(クラブを担いで歩く) 4.3 約258kcal
ラウンド(カートを手で引いて歩く) 4.5 約270kcal

※メッツ値の出典は前の表と同じです。

ラウンドは18ホールで4時間〜4時間半、混んでいれば5時間ほどかかるのが一般的な目安です。仮に4時間で計算すると、カートに乗るラウンドでも体重60kgで約840kcal。歩きのラウンドなら約1,030〜1,080kcalになります。1回あたりで見れば、ラウンドは打ちっぱなし1時間の4〜5倍です。

「カートに乗っているだけなのに、打ちっぱなしと同じ強度なの?」と意外に感じますよね。カートのラウンドでも、ショットのたびに乗り降りして、グリーン周りは歩いて、素振りもして、と細かく体を動かし続けています。座っている時間だけではない、ということです。

だからといって、ラウンドに行けない週がダメというわけではありません。打ちっぱなし1時間はカートのラウンド1時間分と同じ強度です。回数を重ねれば、消費カロリーはちゃんと積み上がっていきます。

他の運動と比べてどのくらいの強度?

打ちっぱなしの3.5メッツは、普通のウォーキング(3.0メッツ)よりやや上、速歩き(4.8メッツ)には届かない、といったところです。同じメッツ表から主な運動を並べてみます(カロリーは体重60kg・1時間の計算値)。

運動 メッツ 60kg・1時間
ヨガ(全般) 2.3 約138kcal
普通歩行(時速4km) 3.0 約180kcal
ボウリング 3.0 約180kcal
ゴルフ打ちっぱなし 3.5 約210kcal
筋トレ(軽〜中強度) 3.5 約210kcal
自転車(ゆっくり・通勤程度) 4.0 約240kcal
卓球 4.0 約240kcal
速歩(時速5.7〜6.3km) 4.8 約288kcal
テニス(全般) 6.8 約408kcal
ジョギング(全般) 7.5 約450kcal

※出典: 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版。

体重60kg・1時間あたりの消費カロリーの比較。ヨガ138kcal、普通歩行180kcal、打ちっぱなし210kcal、速歩288kcal、テニス408kcal、ジョギング450kcal。打ちっぱなしは普通歩行より上、ジョギングの半分以下の位置にある
数字の大小より、どの運動の間に入るかで見ると位置がつかめます

表で見ると、打ちっぱなしは1時間の散歩より少し上で、軽めの筋トレと同じくらいです。汗をかいた実感の割に控えめな数字で、がっかりした方もいるかもしれません。

ただ、「運動不足の解消になるか」という疑問には、この表がそのまま答えになります。ふだんの生活で1時間続けて歩くことすら少ないなら、打ちっぱなし1時間はそれ以上の運動です。ジョギングの半分以下という見方もできますが、散歩1時間分より上と考えれば、運動の入り口としては十分です

ゴルフの打ちっぱなしで痩せる?

打ちっぱなしだけで大きく痩せるのは、正直むずかしいです。厚生労働省の資料では、体重1kg(腹囲1cm)を減らすのに約7,000kcalが必要とされています。週1回1時間(約210kcal)のペースだと、計算上は8か月ほどかかる量です

数字の大きさを実感しやすいように、食べ物に置き換えてみます。文部科学省の食品成分データベースをもとにすると、ごはん1杯(150gで計算)が約234kcal、缶ビール350mlが約137kcalです。打ちっぱなし1時間の約210kcalは、ごはん1杯弱、缶ビール1.5本分ということになります。帰りに1本飲めば半分以上が帳消しになり、1.5本でほぼ差し引きゼロです。

消費カロリーの効率だけで選ぶなら、ジョギング(7.5メッツ)のほうが同じ時間で2倍以上になります。ただ、ジョギングを8か月続けられるかというと、そこで止まる方が多いのではないかと思います。続かない運動の消費カロリーは、何メッツであってもゼロです

打ちっぱなしには、うまく当たると楽しい、上達が球で見える、雨でも打てる、という続けやすさがあります。痩せるための運動として見れば控えめでも、座りっぱなしの1週間に210kcal分の運動を足せて、しかも続けたくなる場所だと考えれば、数字以上の価値があります。まずは「翌週もまた行きたくなるか」を確かめるつもりで通ってみてください。

初めて行くときの受付の流れや料金は、ゴルフの打ちっぱなしは初心者には恥ずかしい?の記事で説明しています。

よくある質問

打ちっぱなし2時間だと何キロカロリーですか?

体重60kgの方で約420kcalです。消費カロリーは時間にほぼ比例するので、早見表の1時間の数字を2倍にするだけで出せます。ただし打席で座って休んでいる時間が長ければ、そのぶん実際の数字は下がります。休憩込みの2時間なら、少し控えめに見ておくとちょうどいいと思います。

500球フルスイングしたら、かなりの運動になりますか?

球数より、かかった時間で考えてみてください。仮に3時間かけて打ったなら、体重60kgで約630kcalです。相当な運動量ではありますが、球数を増やすことよりも、体を動かしている時間が長いことが効いています。メッツ表に打ち方の強弱による区分はないので、フルスイングでも目安は同じ3.5メッツで見ます。翌日に響くほどの疲労感とカロリーは別物なので、数字は時間で見るのが確実です。

毎日1時間通ったら、計算上どれくらいになりますか?

体重60kgなら約210kcal×30日=約6,300kcalで、脂肪1kg分(約7,000kcal)の9割ほどになります。あくまで机上の計算で、食べる量が変わればそのぶん結果も動きます。毎日は現実的でなくても、この計算を知っておくと「週何回なら続けられそうか」を自分の生活で考えやすくなります。

体重が軽い女性の場合はどれくらいですか?

式に自分の体重を入れるだけです。体重50kgなら、1時間で3.5×50×1=約175kcal になります。体重が軽いほど数字は小さく出ますが、運動の強度そのものは同じ3.5メッツで、散歩よりやや上という点は変わりません。

打ちっぱなしは運動不足解消になりますか?

なります。3.5メッツという強度は普通のウォーキングより上で、1時間続ければ散歩1時間以上に体を動かしたことになります。ふだんデスクワーク中心で、まとまった運動がゼロという方なら、週1回の打ちっぱなしでも「何もしない週」との差は大きいです。物足りなくなってきたら、そのときに他の運動を足せば十分です。

まとめ:カロリーは球数ではなく時間で数える

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 打ちっぱなしの消費カロリーは「3.5メッツ×体重×時間」で計算できる(公的なメッツ表に打ちっぱなし場の項目がある)
  • 体重60kgなら1時間で約210kcal。普通のウォーキング1時間よりやや多い
  • 「1球1kcal」に確認できる根拠はない。カロリーは球数ではなく時間で決まる
  • カートを使うラウンドなら強度は打ちっぱなしと同じ。ただ時間が長いぶん、1回840kcal以上になる
  • 打ちっぱなしだけで大きく痩せるのはむずかしい。ただ運動の入り口としては十分な強度

運動の価値は、1回の消費カロリーの大きさではなく、続いた時間の合計で決まります。これはゴルフに限らない話です。

次に打ちっぱなしへ行ったら、帰り道に「3.5×自分の体重×今日の時間」を計算してみてください。同じ1時間でも、数字を知って通うのと知らずに通うのとでは、積み上がっていく実感がまったく違ってきます。


参考資料

  • 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版(2024 Compendium of Physical Activities準拠)— 打ちっぱなし場3.5メッツ、各運動のメッツ値、計算式
  • 同 2012年改訂版(2011 Compendium準拠)— 旧値3.0メッツ
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット — メッツの定義
  • 厚生労働省 社会保障審議会資料(2006年)— 体重1kg減≒約7,000kcal
  • 文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年)— ごはん156kcal/100g、ビール(淡色)39kcal/100g
  • 日本気象協会 tenki.jp — ラウンド所要時間の目安(4時間〜4時間半)

この記事を書いた人

ゴルフ歴20年・ベストスコア70。アマチュアゴルファーがうまくなるためのゴルフレッスンを配信しています。

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