この記事の結論
- 初心者が打ちっぱなしで恥ずかしがる必要はありません。周りは自分の球に集中していて、他人のスイングをほとんど見ていません
- 心理学の実験では、「見られている」という感覚は実際の2倍近くに膨らむことがわかっています
- 浮くとしたら、原因は下手さではなくマナー違反です。打席の外で素振りをしない・大声を出さない・打席の範囲から出ない、この3つで十分です
- 受付や打席の決め方は店ごとに違います。初めてなら受付で「初めてです」と伝えるのが早くて確実です
打ちっぱなしに行ってみたい。でも、恥ずかしい。
ゴルフを始めるならまず打ちっぱなしから、とは聞くものの、初心者が一人で行って浮かないだろうか、下手な球を見られたら恥ずかしいな、と考えて足が止まっている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、その「恥ずかしい」が実際のところどれくらい当たっているのかを、心理学の実験と練習場の公式ルール、そして経験者の声から確かめていきます。
初心者が打ちっぱなしで恥ずかしいと感じるのは変?
変ではありませんが、恥ずかしがる必要もありません。練習場に来ている人は自分の球に集中していて、初心者のスイングをじっと見ている人はほとんどいないからです。下手なのはお互いさまですし、練習場はそもそも、下手な人が上手くなるために行く場所です。
とはいえ、「そう言われても不安なものは不安」というのが正直なところだと思います。
同じ「恥ずかしい」でも、中身は人によって少し違います。まだ一度も行ったことがなく、想像の中の視線が怖い人もいれば、一度行ってみて、空振りが続いたときの周りの目が忘れられない人もいます。原因は違いますが、答えはどちらも同じです。
Yahoo!知恵袋でこのテーマの相談を読み比べると、悩みの中身はだいたい3つです。人の目が怖い。受付や料金の仕組みがわからない。一人で行くのが不安。
周りは本当に見ていない?
人は「見られている」を2倍に見積もる
心理学に有名な実験があります。学生に、人前で着るには気恥ずかしい絵柄のTシャツをわざと着せて、人のいる部屋に入ってもらう。あとで本人に「何割の人が気づいたと思うか」を推定してもらったところ、本人の予想は46%でした。ところが、実際にTシャツに気づいていた人は4人に1人ほど。予想の半分以下でした。
自分が感じる「見られている」は、実際の2倍近くに膨らむ。これは誰にでも起こる、人間共通のクセです。心理学では「スポットライト効果」と呼ばれています。自分では舞台の真ん中でスポットライトを浴びている気がしても、客席から見れば大勢の中の一人、という感覚のズレです。

打席でも同じことが起こります。空振りをした瞬間、「今の、見られたな」と顔が熱くなる。でも隣の人は自分の球の行方を追っていて、こちらを振り返ってすらいない、というのが実際のところです。
経験者の答えは20年前から変わらない
「実験の話はわかったけれど、ゴルフ練習場は別なのでは?」と思われるかもしれません。
Yahoo!知恵袋には、2006年から2023年まで、聞き方を変えながら同じ相談が投稿され続けています。下手な自分が行ったら迷惑ではないか。一人で行くのは変ではないか。そして返ってくる答えは、投稿された年が違ってもほぼ1つです。「自分が思っているほど、人はあなたを見ていません」「最初から上手い人はいません」。
質問した人の立場もばらばらです。上級者に「下手な人が隣だと気が散るか」と聞いた人、一人で行くのが怖い20代の女性、始めたばかりの超初心者。それでも答えが同じというのは、それだけ、練習場に通っている人たちが同じことを感じているのだと思います。
浮くとしたら、下手さではなくマナー
それでも「何かやらかして浮くのが怖い」という不安は残りますよね。ここは、練習場の利用規約にはっきり答えが書いてあります。規約が禁じているのはマナー違反であって、下手なことではありません。
練習場のルールが禁止しているのは「下手」ではない
都内近郊の練習場4か所の利用規約を読み比べてみました。禁止されていることは、だいたい次の3つです。
- 打席の外(通路や待合スペース)でクラブを振らない — 4か所中3か所の規約にはっきり書かれています
- 大声を出すなど、周りの迷惑になる行為をしない — 4か所中3か所
- 打席の範囲から出ない(前方の芝生に立ち入らないなど) — 4か所すべて
逆に、どの規約を読んでも「下手な人は利用禁止」とは書いてありません。空振りしてはいけない、チョロを打ってはいけない、という条項もありません。今回読んだ4か所の規約の中に、上手い下手に触れた項目は1つもありませんでした。
逆に言えば、この3つだけで堂々としていられる
練習場で本当に目立つのは、下手な人ではなくマナーの悪い人です。通路で素振りをする、大声で騒ぐ。規約が名指しで禁止しているのはそちらで、静かに黙々と練習している初心者は、周りから見れば普通のお客さんでしかありません。
これに加えて、打席の後ろを通るときにスイング中の人から少し距離を取れれば文句なしです。空振りが何回続いても、規約のうえでもマナーのうえでも、あなたは何も悪いことをしていません。

初めての打ちっぱなし、受付からの流れは?
受付のやり方も料金の払い方も、実は店ごとにかなり違います。なので、初めての店では受付で「初めてなんですが」と伝えるのが、いちばん早くて確実です。
「それを言うのが恥ずかしいのに」と思ってしまいますよね。ただ、仕組みが店ごとに違うなら、ゴルフ歴の長い人でも、初めての店では聞くしかありません。「初めてなんですが」は、下手だと打ち明ける言葉というより、誰もがやっている普通の手順です。実際、打席の決め方まで公式サイトで説明している練習場は、今回調べた範囲では1つもありませんでした。受付で聞けば案内してもらえるものと考えて大丈夫です。
料金の形は、大きく2つに分かれます。
- 球の数で払う店: ボール1球いくらに、打席料や入場料が付く形です。例えば東京・江戸川区のロッテ葛西ゴルフは、ボール1球18〜26円(階と曜日で変わる)+打席料550円です(2026年9月時点・税込)
- 時間で払う店: 60分いくらで打ち放題、という形です。室内型の練習場にあります
受付も、フロントで払う店だけでなく、専用のカードにお金をチャージして使う店もあります。どの形かは店の公式サイトの料金ページを見ればわかりますし、わからなければ着いてから聞けば済みます。
クラブを持っていなくても、貸クラブのある店なら手ぶらで行けます(ロッテ葛西なら1本500円)。手ぶらで行くつもりなら、行く前に公式サイトで貸クラブの有無だけ見ておくと安心です。服装は、普段の動きやすい格好で十分です。
予算の目安も、この例で計算できます。かりに先ほどの店で平日に100球打つなら、ボール代は1,800〜2,100円。打席料と貸クラブ1本を足しても、全部で3,000円前後です。

一人で行っても大丈夫?
大丈夫です。練習場に一人で行くことは、マナー違反でも変わったことでもありません。
知恵袋の相談を読むと、「一人で行くのは迷惑にならないか」という心配が繰り返し出てきます。回答はどれもほぼ同じで、練習場は練習をしに行く場所であり、一人で来ることは何の違反でもない、というものです。黙々と球を打つ練習は、むしろ一人のほうが向いています。
女性一人だと余計に目立つのでは、という不安の相談もあります。これへの回答も同じです。一人でひたむきに練習している人を迷惑に思う人はいない、うるさいグループのほうがよほど目立つ、という答えでした。
それでも最初の一回のハードルが高ければ、ゴルフ経験のある友人に付き合ってもらうのも手です。ただ、人と都合を合わせているうちに熱が冷めてしまうくらいなら、一人で行ってしまったほうが早いと思います。レッスンや体験メニューを用意している練習場もあるので、どうしても一人が不安なら、そういう店を選ぶ手もあります。
よくある質問
空振りやチョロばかりでも迷惑になりませんか?
なりません。規約で禁止されているのは打席の外での素振りや大声などのマナー違反で、今回読み比べた4か所の規約には、ミスショットを禁じた項目は1つもありませんでした。上級者に「下手な人が隣だと気が散るか」と聞いた知恵袋の相談でも、答えは「気にならない」でした。気にしているのは本人だけ、ということです。
クラブを持っていなくても行けますか?
貸クラブを置いている練習場なら行けます。1本500円で借りられる店もあります(2026年9月時点)。ただしどの店にもあるわけではないので、行く前に店の公式サイトかGoogleマップの情報で、貸クラブの有無を確かめてみてください。
ラウンドの予定がないのに、打ちっぱなしだけ通うのは変ですか?
変ではありません。知恵袋にも「コースに出ないで練習場にだけ通う自分は変か」という相談があるくらい、昔からある悩みです。ラウンドに出るかどうかは自由で、運動として、気分転換として球を打ちに通う。それも練習場の使い方の1つです。
隣の打席が上手い人ばかりだと気後れします
その感覚は自然なものです。ただ、その上手い人も自分の球しか見ていません。どうしても気になるなら、端の打席を選ぶと片側からの視線がなくなるぶん気が楽です。慣れてくると、隣が上手い人のほうがスイングの参考になる、と感じられる日も来ると思います。
まとめ
- 打ちっぱなしで初心者のスイングをじっと見ている人はほとんどいません。「見られている」という感覚は、実験では実際の2倍近くに膨らんでいました
- 浮くとしたら、原因は下手さではなくマナー違反です。打席の外で素振りをしない・大声を出さない・打席の範囲から出ない、この3つで十分です
- 受付や料金の仕組みは店ごとに違うので、「初めてなんですが」と受付で伝えるのが早道です
- 一人で行くのもマナー違反にはあたらず、練習場では普通の姿です
「見られている」という感覚の半分ほどは、自分の中にしかありません。これは打ちっぱなしに限らず、ゴルフを続けていくと何度も出会う話です。コースデビューでも、最初のティーショットでも、周りは思っているほどあなたを見ていません。
最初の一回だけ、少し勇気が要ります。でも、打席に立って10球も打てば、周りは自分が思っているほど見ていない、と体でわかるはずです。次の休みにでも、近くの練習場をのぞいてみてください。
この記事を書いた人
ゴルフ歴20年・ベストスコア70。アマチュアゴルファーがうまくなるためのゴルフレッスンを配信しています。

