ゴルフが上達しない原因|練習量ではなく「直し方」の問題です

この記事の結論

  1. 上達しない原因は、練習量でも才能でもなく「練習の中身」。自己流のフルショットを繰り返すほど、悪い動きが固まっていく
  2. 症状が出た場所と直すべき場所は別のことが多い。同じアウトサイドインでも、テイクバック起因と切り返し起因では直し方が変わる
  3. 原因は5系統(自己流/フルショットだけ/直しながらスイング/素振りをしない/感覚と実際のズレ)。自分がどれかを見分ければ、今日の練習から変えられる

「毎週練習場に通っているのに、スコアが変わらない」——そんなふうに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。よく見ていると、上達しない人に足りないのは練習量でも才能でもないことがほとんどです。この記事では、原因の5つの系統と見分け方を順番に解説します。

目次

結論:上達しないのは練習量ではなく「練習の中身」の問題

ゴルフが上達しない原因は、ほとんどの場合、練習の量ではなく中身にあります。自己流のフルショットを繰り返すだけの練習では、球数をどれだけ増やしても、悪い動きが固まっていくだけだからです

厳しい言い方に聞こえるかもしれません。ただ、これは裏を返せば良い知らせです。才能の問題なら打つ手がありませんが、中身の問題なら、今日の練習から変えられます

具体的には、上達しない人の練習には次のどれかが当てはまります(複数のことも多いです)。

  • 自己流で練習している
  • いい球を打つためのフルショットだけを打っている
  • 悪いところを「直しながら」スイングしている
  • 素振りをしない
  • 自分の感覚と実際の動きがズレている

この5つは、後半で1つずつ見分け方まで説明します。その前に、どの系統にも共通する大前提を1つだけ押さえてください。「症状が出た場所」と「直すべき場所」は、別のことが多いという事実です

スイングは「流れ」でできている——症状の場所に原因があるとは限らない

スイングは、始動、テイクバック、トップ、切り返し、ダウンスイング、インパクト、フォローという動きがひとつながりになったものです。この「流れ」という性質のせいで、ミスが出た場所と、ミスを生んだ場所はよく食い違います

たとえば、ダウンスイングでクラブが外から下りてくる、いわゆるアウトサイドインの軌道。多くの方は「切り返しで外から下ろしてしまう自分」を直そうとします。ところが実際には、切り返しそのものではなく、その前のトップの位置や、さらに手前のテイクバックでのクラブの通り道(クラブパス)が原因になっていることが多いです。

川の下流が濁っているとき、下流だけ掃除しても濁りは消えません。濁りが生まれているのが上流なら、直すのは上流です。※スイングが川と違うのは、下流(インパクト側)の症状ばかりが目立って、上流の異変が本人からは見えにくいところです。

だから、同じ症状でも処方は変わります。同じアウトサイドインでも、テイクバックからズレている人と、切り返しでズレる人がいる。この2人に一律で「クラブをインから下ろしましょう」と言っても、テイクバック起因の人はまず直りません。ネットで見たアドバイスを試しても直らなかった経験がある方は、アドバイスが悪かったのではなく、自分の原因と合っていなかった可能性が高いです

上達しない原因は5系統——自分がどれかを見分ける

ここからは、上達しない原因を5つの系統に分けて、それぞれの見分け方を説明します。1つだけの人は少なく、2つ3つ重なっている人が多いので、当てはまるものを全部拾ってください

系統1:自己流で練習している(最も多い)

伸び悩んでいる人のほとんどは、正しい形を確認する手段を持たないまま、自分の感覚だけで練習しています。

見分け方は簡単です。「いま直そうとしている動きの正しい形を、人に説明できるか」。説明できなければ、自己流の可能性が高いです。

自己流の怖さは、練習するほど悪い動きが固まっていくことにあります。練習量が逆効果になる、唯一のパターンです。

系統2:いい球を打つためのフルショットだけを打っている

練習場でナイスショットが出ると気持ちいいので、放っておくとフルショットばかりになります。ただ、いい球を打つことと、動きを直すことは別の練習です

こちらの見分け方は、「今日は何を確認しに練習場へ来たか」を一言で言えるかどうか。言えなければ、いい球を打ちに来ているだけになっているかもしれません。

系統3:悪いところを「直しながら」スイングしている

テイクバックがインに入りすぎる人が、フルスイングの中でそこだけ意識して直そうとする。とてもよくあるパターンですが、これでは直りません。スイングは一連の流れなので、途中の一箇所だけを意識しても、流れに飲み込まれていつもの動きに戻るからです

直したい動きは、いったんスイングから切り出して、その部分だけを反復する必要があります。やり方は後半の「直し方」で説明します。

系統4:素振りをしない

素振りは、ボールという結果に気を取られずに動きを確認できる、ほぼ唯一の練習です。ボールを前にすると、人はどうしても「当てたい」が先に立って、確認したかった動きが抜けます。

1球も素振りせずに打ち続けている人は、確認のない練習を積み上げていることになります。心当たりのある方は多いのではないでしょうか。

系統5:自分の感覚と実際の動きがズレている

一番厄介なのがこれです。本人はインサイドに振っているつもりなのに、外から見るとアウトから下りている。感覚と実際の動きは、それくらい平気でズレます

見分け方は、自分のスイングを動画で撮って、頭の中のイメージと見比べること。「思っていたのと違う」と感じたら、この系統です。実際には、「イメージ通りだった」と感じる人のほうが少数派です。

ネットのアドバイスで直らないのはなぜか

ネットや雑誌のアドバイスが役に立たないわけではありません。ただ、記事は読者の症状を見ないまま書かれるので、原因ごとの分岐までは書ききれない事情があります。

たとえば「スウェイ(体が横に流れる動き)の直し方」という記事を書くとします。ひとくちにスウェイといっても、体ごと流れる人、軸が動いてしまう人、体重を右に乗せすぎる人と、原因はいくつもあります。これを全部、見分け方つきで書いたら、とても1本の記事には収まりません。

だから記事は、いちばん多い原因を1つ選んで、その直し方を書くことになります。内容は間違っていない。ただ、あなたの原因と一致するかどうかは、運次第です

つまり、ネットのアドバイスは「処方箋」ではなく「薬局の棚」だと思ってください。棚に並んでいる薬は本物でも、自分の症状に合う薬を選ぶには、先に診断が要ります。※薬と違うのは、合わないアドバイスを試し続けると、悪い動きが固まるという副作用があることです。前の章の5系統は、その診断のためのものです。

今日の練習から変える3つの直し方

診断ができたら、では何をすればいいのでしょうか。やることは3つで、どれも今日の練習から変えられます。ただし主役は1つ目で、残りの2つはそれを支える習慣です。

直し方1:直したい動きだけを切り出して反復する

たとえばテイクバックがインに入りすぎるなら、腰の高さまでクラブを上げる動きだけを、正しい軌道で何度も繰り返します。目安は「考えなくてもその形になる」まで。そのうえでボールを置いて、同じ動きができるかを確認します。ボールがあると意識が抜けやすいので、元に戻っていないかをここで見るわけです。

本来を言えば、この状態になるまでフルショットはしないほうがいいです。ただ、練習場に来てひたすら部分練習だけ、というのは現実には続きません。そこまでストイックにならなくて大丈夫です。次の配分くらいから始めてください。

直し方2:練習の配分を変える——フルショットは最後の2〜3割

部活動の練習を思い出してほしいのです。中学の部活で、初日からいきなり試合形式はやりません。基礎練習や素振りから入って、段階を踏みます。素振りが2〜3回できたからといって、すぐ実戦に進むこともしません。ところがゴルフになった瞬間、多くの人が1球目からフルショットを打ちます。

配分の目安はこうです。半分はハーフショット、2〜3割は少し大きめのスイング、フルショットは最後の2〜3割。ここまで変えるのが難しければ、素振りをしない人が「1球打つ前に素振り3回」を挟むだけでも、練習の質は変わってきます

直し方3:動画で答え合わせをする

感覚と実際のズレは、自分の中からは直せません。スマホで撮って、画面で答え合わせをしてください。

このとき、1つ知っておいてほしいことがあります。ズレを直すときは、本人の感覚では「極端すぎる」くらいでちょうどいいことが多いです。極端にやっているつもりの動きが、外から見るとちょうど正しい軌道に収まっている。よく起きることなので、画面の中の自分を信じて、自分の感覚のほうを疑ってください

よくある質問

レッスンを受けているのに上達しないのはなぜですか?

レッスンで指摘された箇所を、次のレッスンまでの自主練で「直しながらフルショット」していると、指摘が積み上がりません。指摘された動きだけを切り出して反復し、動画で確認してから球を打つ流れに変えると、同じレッスンでも進み方が変わってくると思います。

センスや運動神経がないから上達しないのでは?

ゴルフに限っては、センスや運動神経の影響はほとんどないと思います。運動が得意でも伸びない人、苦手でも上手くなる人はどちらもいます。上達が早い人に共通するのは才能ではなく、原因の切り分け方と練習のやり方です。

素振りだけでも上達しますか?

動きを直す段階なら、素振りは球打ちより効率のいい練習です。ボールがないぶん確認したい動きに集中でき、スイング自体もしやすくなります。仕上げに球を打って、同じ動きができているかを確かめる使い方が理想です。

どのくらいの期間で直りますか?

直す場所と練習頻度によって差が大きく、一概には言えません。ただ、原因の特定が合っていれば変化は早いです。スイングを大きく変えなくても、考え方を整理しただけで、数ラウンドでスコアが変わった例もあります。

まとめ:量を増やす前に、場所を疑う

上達しない原因は、練習量ではなく中身にあります。症状が出た場所と直すべき場所は別のことが多い。だからまず5つの系統で自分を診断して、直したい動きを切り出して反復する。配分を変え、動画で答え合わせをする。これだけで練習の意味が変わります。

これはゴルフに限らない話だと思います。結果が出ないとき、努力量を増やすのは一番手軽な対策ですが、効くのは「どこを直すか」を特定したあとです。うまくいかないときほど、量の前に場所。この順番だけでも持ち帰ってください。

次の練習では、最初の10球を素振りとハーフショットに使って、「今日は何を確認しに来たか」を一言決めてから打ってみてください。それが、上達する練習の入り口です。

この記事を書いた人

ゴルフ歴20年・ベストスコア70。アマチュアゴルファーがうまくなるためのゴルフレッスンを配信しています。

目次