この記事の結論
- ゴルフの打ちっぱなし1時間のカロリーは、体重60kgで約210kcal。普通のウォーキング1時間とだいたい同じ
- 計算は「3.5メッツ×体重(kg)×時間(h)」の1本だけ。公的なメッツ表に「打ちっぱなし場」の項目がある
- カロリーを決めるのは球数より時間。「1球1kcal」に確認できる根拠はない
- 打ちっぱなしだけで大きく痩せるのはむずかしいが、運動不足解消には十分な強度
打ちっぱなしって、運動になるんだろうか。
ゴルフを始めてから、ふとそう思ったことはないでしょうか。ゴルフの打ちっぱなしのカロリーを調べてみると、「1球1kcal」というサイトもあれば「1時間で400kcal」というサイトもあって、どれを信じていいのか分かりません。
実は、もとになる公的なデータは1つで、式もかけ算1本です。この記事では、その数字の出どころから、体重別の早見表、ラウンドや他の運動との比較まで順にまとめていきます。
ゴルフの打ちっぱなしのカロリーは1時間でどれくらい?
打ちっぱなし1時間の消費カロリーは、体重60kgの方で約210kcalです。運動の強さを表す公的なメッツ表に「ゴルフ練習場(打ちっぱなし場)」という項目がそのまま載っていて、その値が3.5メッツ。これに自分の体重と時間を掛けるだけで、自分の数字が出せます。
同じ数字を調べていても、知りたいことは大きく2つあると思います。ダイエットのために「何kcal減るのか」を知りたい方と、運動不足の解消として「これは運動のうちに入るのか」を確かめたい方です。目的が違うと数字の見方も変わってくるので、この記事では両方に答えていきます。まずは数字の出どころから確認していきます。
計算式は「メッツ×体重×時間」の1本だけ
メッツというのは、安静に座っている状態を1として、その何倍のエネルギーを使うかを表した単位です。厚生労働省の健康情報サイトでも使われている、運動強度の物差しになります。
式と聞くと身構えてしまいますよね。でも、使うのは本当にこれだけです。
消費カロリー(kcal)=メッツ値×体重(kg)×時間(h)
この式とメッツの値は、国立健康・栄養研究所が公開している「身体活動のメッツ(METs)表」の改訂第2版(2024年改訂)に載っています。この表に「ゴルフ:小規模のゴルフ(ミニゴルフ)、ゴルフ練習場(打ちっぱなし場)」という項目があり、値は3.5メッツです。打ちっぱなしそのものの項目が、公的な資料に最初からあるわけです。
体重60kgの方が1時間打つなら、3.5×60×1=約210kcal。これが冒頭の数字の中身です。

「×1.05を掛ける式を見たことがあるけど?」と思われた方もいるかもしれません。係数を掛ける流儀の式もネットにはありますが、大元のメッツ表の解説に書かれているのは上の形です。差は数%なので、目安として使う分にはどちらでも大きくは変わりません。
体重別・時間別の早見表(50〜80kg)
自分の体重に近い行を見てください。
| 体重 | 30分 | 1時間 | 1時間半 |
|---|---|---|---|
| 50kg | 約88kcal | 約175kcal | 約263kcal |
| 60kg | 約105kcal | 約210kcal | 約315kcal |
| 70kg | 約123kcal | 約245kcal | 約368kcal |
| 80kg | 約140kcal | 約280kcal | 約420kcal |
※3.5メッツ×体重×時間で計算した理論値です(メッツ値の出典: 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版)。
見てのとおり、体重が重い方ほど、そして長く打つほど消費は大きくなります。逆に言えば、体重の軽い方は同じ1時間でも数字は小さめに出ます。「思ったより少ない」と感じたかもしれませんが、この数字が多いのか少ないのかは、あとで他の運動と比べると見えてきます。
100球打つと何キロカロリー消費する?
先に答えを言ってしまうと、「100球で何kcal」という計算は、実は成り立ちません。消費カロリーを決めているのは球数ではなく、体を動かしていた時間だからです。
打ちっぱなしのカロリーを決めているのは、いわばタイマーです。何球打ったかに関係なく、体を動かしていた時間の長さで積み上がっていきます。打席に座ってスマホを見ている時間はカウントされません。
といっても、1球ごとの待ち時間まで細かく引く必要はありません。3.5メッツという値は、構え直しや球待ちも含めた練習全体の強度なので、式に入れる時間は打席で練習していた時間そのままで大丈夫です。長めの休憩だけ引いてください。
では100球にどれくらい時間がかかるのか。初心者の方が丁寧に打つと、1時間で50〜100球くらいが目安になります。つまり100球なら1〜2時間。体重60kgの方なら約210〜420kcalです。
同じ100球でも、かかった時間しだいで数字が倍違う。「100球も打ったんだから、それなりに減っていてほしい」と思いたくなりますが、球数を数えるより、練習場にいて体を動かした時間で見るほうが、実際の数字に近づきます。
「1球1kcal」という数字は本当?
はっきりした根拠は確認できませんでした。この数字を載せているサイトを5つ確認しましたが、どこも出どころを示しておらず、「〜と言われています」という形で伝わっているだけの数字です。
検算もしてみます。メッツ表ベースの計算では、体重60kgで1時間=約210kcal でした。1球1kcalの数え方とつじつまが合うのは、1時間に200球くらいのハイペースで打ち続けた場合だけです(210kcal÷200球≒1kcal)。初心者のペース(1時間50〜100球)なら、1時間分の約210kcalを球数で割ると1球あたり2〜4kcal。1球1kcalでは、実際より小さく見積もることになります。

もう1つ、数字がバラつく背景として知っておきたいことがあります。メッツ表の打ちっぱなしの値は、以前の版(2012年改訂版)では3.0メッツでした。それが2024年の改訂で3.5メッツに引き上げられています。体重60kgで計算すると、旧版なら約180kcal、今の版なら約210kcal。ネットの数字がこのあたりでばらつくのは、この新旧の差も影響していそうです。
「1時間で400kcal」のような大きい数字も見かけますが、体重や時間の前提が書かれていないことがほとんどです。前提の分からない数字より、自分の体重で計算した数字のほうが確かです。
1球1kcalという覚え方を使うなら、「少なくとも100球で100kcalは使っている」という最低ラインの見当までにしておくのが安全です。カロリーを目当てに通うなら、「何球打ったか」より「何時間体を動かしたか」で数えるほうが、実際に近い数字になります。
ラウンドと比べるとどっちがカロリーを使う?
1時間あたりの強度で言えば、実は引き分けです。メッツ表では、カートに乗って回るラウンドは3.5メッツで、打ちっぱなしとまったく同じ値になっています。差がつくのは強度より、かかる時間のほうです。
| ゴルフの形態 | メッツ | 60kg・1時間あたり |
|---|---|---|
| 打ちっぱなし | 3.5 | 約210kcal |
| ラウンド(電動カート) | 3.5 | 約210kcal |
| ラウンド(クラブを担いで歩く) | 4.3 | 約258kcal |
| ラウンド(カートを手で引いて歩く) | 4.5 | 約270kcal |
※メッツ値の出典は前の表と同じです。
ラウンドは18ホールで4時間〜4時間半、混んでいれば5時間ほどかかるのが一般的な目安です。仮に4時間で計算すると、カートに乗るラウンドでも体重60kgで約840kcal。歩きのラウンドなら約1,030〜1,080kcalになります。1回あたりで見れば、ラウンドは打ちっぱなし1時間の4〜5倍です。
「カートに乗っているだけなのに、打ちっぱなしと同じ強度なの?」と意外に感じますよね。カートのラウンドでも、ショットのたびに乗り降りして、グリーン周りは歩いて、素振りもして、と細かく体を動かし続けています。座っている時間だけではない、ということです。
だからといって、ラウンドに行けない週がダメというわけではありません。打ちっぱなし1時間はカートのラウンド1時間分と同じ強度です。回数を重ねれば、消費カロリーはちゃんと積み上がっていきます。
他の運動と比べてどのくらいの強度?
打ちっぱなしの3.5メッツは、普通のウォーキング(3.0メッツ)よりやや上、速歩き(4.8メッツ)には届かない、といったところです。同じメッツ表から主な運動を並べてみます(カロリーは体重60kg・1時間の計算値)。
| 運動 | メッツ | 60kg・1時間 |
|---|---|---|
| ヨガ(全般) | 2.3 | 約138kcal |
| 普通歩行(時速4km) | 3.0 | 約180kcal |
| ボウリング | 3.0 | 約180kcal |
| ゴルフ打ちっぱなし | 3.5 | 約210kcal |
| 筋トレ(軽〜中強度) | 3.5 | 約210kcal |
| 自転車(ゆっくり・通勤程度) | 4.0 | 約240kcal |
| 卓球 | 4.0 | 約240kcal |
| 速歩(時速5.7〜6.3km) | 4.8 | 約288kcal |
| テニス(全般) | 6.8 | 約408kcal |
| ジョギング(全般) | 7.5 | 約450kcal |
※出典: 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版。

表で見ると、打ちっぱなしは1時間の散歩より少し上で、軽めの筋トレと同じくらいです。汗をかいた実感の割に控えめな数字で、がっかりした方もいるかもしれません。
ただ、「運動不足の解消になるか」という疑問には、この表がそのまま答えになります。ふだんの生活で1時間続けて歩くことすら少ないなら、打ちっぱなし1時間はそれ以上の運動です。ジョギングの半分以下という見方もできますが、散歩1時間分より上と考えれば、運動の入り口としては十分です。
ゴルフの打ちっぱなしで痩せる?
打ちっぱなしだけで大きく痩せるのは、正直むずかしいです。厚生労働省の資料では、体重1kg(腹囲1cm)を減らすのに約7,000kcalが必要とされています。週1回1時間(約210kcal)のペースだと、計算上は8か月ほどかかる量です。
数字の大きさを実感しやすいように、食べ物に置き換えてみます。文部科学省の食品成分データベースをもとにすると、ごはん1杯(150gで計算)が約234kcal、缶ビール350mlが約137kcalです。打ちっぱなし1時間の約210kcalは、ごはん1杯弱、缶ビール1.5本分ということになります。帰りに1本飲めば半分以上が帳消しになり、1.5本でほぼ差し引きゼロです。
消費カロリーの効率だけで選ぶなら、ジョギング(7.5メッツ)のほうが同じ時間で2倍以上になります。ただ、ジョギングを8か月続けられるかというと、そこで止まる方が多いのではないかと思います。続かない運動の消費カロリーは、何メッツであってもゼロです。
打ちっぱなしには、うまく当たると楽しい、上達が球で見える、雨でも打てる、という続けやすさがあります。痩せるための運動として見れば控えめでも、座りっぱなしの1週間に210kcal分の運動を足せて、しかも続けたくなる場所だと考えれば、数字以上の価値があります。まずは「翌週もまた行きたくなるか」を確かめるつもりで通ってみてください。
初めて行くときの受付の流れや料金は、ゴルフの打ちっぱなしは初心者には恥ずかしい?の記事で説明しています。
よくある質問
打ちっぱなし2時間だと何キロカロリーですか?
体重60kgの方で約420kcalです。消費カロリーは時間にほぼ比例するので、早見表の1時間の数字を2倍にするだけで出せます。ただし打席で座って休んでいる時間が長ければ、そのぶん実際の数字は下がります。休憩込みの2時間なら、少し控えめに見ておくとちょうどいいと思います。
500球フルスイングしたら、かなりの運動になりますか?
球数より、かかった時間で考えてみてください。仮に3時間かけて打ったなら、体重60kgで約630kcalです。相当な運動量ではありますが、球数を増やすことよりも、体を動かしている時間が長いことが効いています。メッツ表に打ち方の強弱による区分はないので、フルスイングでも目安は同じ3.5メッツで見ます。翌日に響くほどの疲労感とカロリーは別物なので、数字は時間で見るのが確実です。
毎日1時間通ったら、計算上どれくらいになりますか?
体重60kgなら約210kcal×30日=約6,300kcalで、脂肪1kg分(約7,000kcal)の9割ほどになります。あくまで机上の計算で、食べる量が変わればそのぶん結果も動きます。毎日は現実的でなくても、この計算を知っておくと「週何回なら続けられそうか」を自分の生活で考えやすくなります。
体重が軽い女性の場合はどれくらいですか?
式に自分の体重を入れるだけです。体重50kgなら、1時間で3.5×50×1=約175kcal になります。体重が軽いほど数字は小さく出ますが、運動の強度そのものは同じ3.5メッツで、散歩よりやや上という点は変わりません。
打ちっぱなしは運動不足解消になりますか?
なります。3.5メッツという強度は普通のウォーキングより上で、1時間続ければ散歩1時間以上に体を動かしたことになります。ふだんデスクワーク中心で、まとまった運動がゼロという方なら、週1回の打ちっぱなしでも「何もしない週」との差は大きいです。物足りなくなってきたら、そのときに他の運動を足せば十分です。
まとめ:カロリーは球数ではなく時間で数える
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 打ちっぱなしの消費カロリーは「3.5メッツ×体重×時間」で計算できる(公的なメッツ表に打ちっぱなし場の項目がある)
- 体重60kgなら1時間で約210kcal。普通のウォーキング1時間よりやや多い
- 「1球1kcal」に確認できる根拠はない。カロリーは球数ではなく時間で決まる
- カートを使うラウンドなら強度は打ちっぱなしと同じ。ただ時間が長いぶん、1回840kcal以上になる
- 打ちっぱなしだけで大きく痩せるのはむずかしい。ただ運動の入り口としては十分な強度
運動の価値は、1回の消費カロリーの大きさではなく、続いた時間の合計で決まります。これはゴルフに限らない話です。
次に打ちっぱなしへ行ったら、帰り道に「3.5×自分の体重×今日の時間」を計算してみてください。同じ1時間でも、数字を知って通うのと知らずに通うのとでは、積み上がっていく実感がまったく違ってきます。
参考資料
- 国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ(METs)表」改訂第2版(2024 Compendium of Physical Activities準拠)— 打ちっぱなし場3.5メッツ、各運動のメッツ値、計算式
- 同 2012年改訂版(2011 Compendium準拠)— 旧値3.0メッツ
- 厚生労働省 e-ヘルスネット — メッツの定義
- 厚生労働省 社会保障審議会資料(2006年)— 体重1kg減≒約7,000kcal
- 文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年)— ごはん156kcal/100g、ビール(淡色)39kcal/100g
- 日本気象協会 tenki.jp — ラウンド所要時間の目安(4時間〜4時間半)
この記事を書いた人
ゴルフ歴20年・ベストスコア70。アマチュアゴルファーがうまくなるためのゴルフレッスンを配信しています。

