ゴルフ初心者のスコア180は珍しくない|平均のほんとうの話

この記事の結論

  1. 初ラウンド前後のスコア180は珍しくない。「初心者の平均は120〜150」というネットの数字は、大半が出典のない体感値
  2. スコアは数え方で数十打変わる。前進4打や打ち切りを使った140と、きっちり数え切った180は近い実力でありうる
  3. 180=1ホール平均10打。打数がかさんでいるのは飛距離よりグリーン周りとペナルティ
  4. 150台へは、パターとグリーン周り→OBの傷を浅く→大叩きの打ち切りの順。スイング改造はそのあとで十分

初ラウンド、180だった。

うまく当たった球なんてほとんどないのに、疲れだけはしっかり残っている。帰ってから「ゴルフ初心者のスコア180」と検索してみると、「初心者の平均は120〜150」なんて数字が出てきて、余計にへこんでしまいますよね。

ただ、その「平均」がどこから来た数字なのかを調べていくと、話はだいぶ変わってきます。この記事では、平均と言われる数字の出どころと、180というスコアの中身、そして150台にするために何から手をつけると効くのかを、順にまとめていきます。

目次

ゴルフ初心者のスコア180は普通?

初ラウンドやその直後の時期なら、スコア180は珍しくありません。しかも、OBもペナルティも全部きっちり数えた上での180なら、それは正直に数えた証拠です。慌ててスイングを直しに走る前に、まず、その180という数字がどう作られたのかを確かめるところから始めてみてください。

この記事を読んでいる方は、たぶん2通りだと思います。初ラウンドを終えたばかりで「自分はヘタすぎるのか」が気になっている方と、何回かラウンドしても180前後から動かなくて、何を直せばいいのか知りたい方。前半で数字の話を、後半で直し方の話をするので、どちらの方もそのまま読み進めてもらえれば大丈夫です。

「初心者の平均は120〜150」はどこから来た数字?

検索で上に出てくる「初心者の平均は120〜150」という数字の出どころを、5つのサイトで確かめてみました。結果は、5つのうち3つが出典なし。残り2つも公的な調査ではありませんでした。しかも肝心の数字が、120〜150と書くサイトもあれば120〜140のサイトもあり、幅の取り方まで食い違っています

初心者だけを対象にした、調査した団体と回答数がはっきりしている平均スコアのデータは、探した範囲では見つかりませんでした。「初心者の平均は◯◯」という断言の多くは、誰かの体感が、伝言ゲームのように受け売りされるうちに数字として広まったもの、ということです。

数字らしい数字を1つ挙げるなら、スコア記録アプリが公開している5,739ラウンドの実測データがあります。利用者全体の平均は121.9で、100を切った人は6.3%。ただしこれは「アプリでスコアを記録するくらい、ゴルフに通っている人たち」の数字です。初心者だけを数えたものではないので、コースに出たばかりの人のスコアがこれより多くなるのは自然なことです。

実際の声も見てみます。知恵袋で初ラウンドのスコアを尋ねた質問を10件たどると、自己申告は96から160台あたりに集まっていました。一方で、ゴルフ場のフロントで働く方の回答には「初心者は180〜200くらいが多い」という実感も出てきます。

自己申告の数字と、受付で毎日スコアを見ている側の実感が、妙にずれている。このずれの理由が、次の「数え方」の話です。

スコアは数え方で数十打変わる

同じラウンドでも、ルールブックどおりに数えるか、ゴルフ場のローカルルール込みで数えるかで、スコアは数十打変わります

まず原則から。OBや紛失球は、1罰打を足して、直前に打った場所からの打ち直しです。ティーショットがOBなら、打ち直しは3打目になります

ただ、毎回ティーまで戻って打ち直していたら、後ろの組が詰まってしまいます。そこで2019年から、OBになったあたりの近くに2罰打でボールを置いて、そのまま続けられるローカルルールが正式に用意されました。ティーショットのOBなら次が4打目。いわゆる「前進4打」です。仲間内のラウンド向けの扱いで、プロの競技では使われませんが、ゴルフ場が認めていれば堂々と使っていいルールです。

もう1つ、大手のゴルフ場チェーンには「規定打数の3倍まで来たら、そのホールを打ち切れる」ルールを設けているところがあります。パー4なら12打で終わり。それ以上は数えません。

きっちり全部数えるのが筋だ、という考え方ももちろん正しいです。競技に出るならそれ一択です。ただ、仲間内のラウンドでは、正確さより進行が優先される場面のほうが多くなります。

ここで簡単な計算をしてみます。OBのたびに前進4打を使い、大叩きのホールを12打で打ち切った人の140。全部きっちり打ち直して数え切った人の180。この2人の実力は、ほとんど同じでもおかしくありません。ネットに出てくる「初ラウンド140でした」という申告には、ローカルルール込みの数字が相当数混ざっているはずです。

数え方の違いでスコアは数十打変わる。前進4打を使い、規定打数の3倍で打ち切った人の140と、全部打ち直して最後まで数え切った人の180は、実力がほとんど同じでもおかしくない。180は正直に数えた証拠
同じラウンドでも、何をどう数えたかで数字は変わります

だから、180と数え切ったことを恥じる必要はありません。むしろ、ごまかさずに数えた証拠です

180というスコアの中身

180がどんなスコアなのか、中身も数字で見てみます。標準的なコースはパー72なので、180は108オーバー。18ホールで割ると、1ホール平均10打です

「1ホールで10打も叩くのは自分くらいでは」と感じていたかもしれません。ただ、パー4での10打の中身を並べてみると、こうなります。

  • ティーショットがOBで、前進4打からスタート(この時点で4打)
  • そこからグリーンに乗るまで3〜4打(ダフリやトップ、グリーン周りの行ったり来たりも込み)
  • 最後は3パット
スコア180はパー72のコースで108オーバー、1ホール平均10打。パー4での10打の内訳は、ティーショットがOBで前進4打から始めて4打、そこからグリーンに乗るまで3〜4打、最後は3パット。打数がかさむのはグリーン周り
パー4での10打の内訳です。大きなミスは1つも入っていません

特別なミスの連続ではありません。初心者に普通に起こることが1ホールにいくつか重なるだけで、10打になってしまいます。

では、どこで打数がいちばんかさんでいるのか。48.7万人が使うスコア管理サービスのデータ分析では、うまい人も初心者も、スコアのおよそ4割をパットが占めています1ラウンド32〜33パットに収まる人は平均スコアが80台になる、というデータもあります。大叩きの主戦場は、ドライバーの飛距離ではなく、グリーンの上とその周りだということです

180を150台にするために効く順番

手をつける順番は、まずパターとグリーン周り、次にOBの傷を浅くすること、最後に大叩きの打ち切りです。スイングの作り直しは、そのあとで十分です。

180を150台にするために効く順番。1番目はパターとグリーン周りで3パットを2パットに、2番目はOBの傷を浅くするために前進4打を使う、3番目は1ホールの上限を決めてパー4なら12打で拾う。スイング改造と飛距離アップは今はやらない
上から順に手をつけると、同じ練習時間でも縮まり方が変わります

まずパターとグリーン周りから

仮にいま、ほとんどのホールで3パット以上しているとします。1ラウンドでパットは50打前後。これが「だいたい2パット、ときどき3パット」に変わるだけで、10打以上縮まる計算になります。180のうち50打がパットなら、スコアの3割近くをグリーンの上で使っている計算です。打数の多い人ほど、ここが効いてきます。

飛ばす練習は気持ちがいいですが、180から150台への最短ルートは、地味なほうにあります

OBの傷を浅くする

前進4打が使えるゴルフ場なら、使ってください。失うのは2罰打だけで済み、時間も守れます。同じ場所からの打ち直しで2発目のOBが出れば、次はもう5打目。ホールの前半が罰打だけで埋まってしまいます。

「打ち直して取り返したい」という気持ちは分かります。ただ、180前後の時期は、その1球がまたOBになったときのダメージのほうが大きいです。

1ホールの上限を決めておく

規定打数の3倍で打ち切れるゴルフ場なら、パー4は12打で拾って次のホールへ。打ち切りルールがないコースでも、自分の中で「このホールはここまで」と上限を決めておくと、1ホールの大叩きでスコア全体が壊れる、ということが起こりにくくなります。

数え方を変えたぶん数字が縮むのは、前半で見たとおりです。それでかまいません。目的はスコアの見栄えではなく、大叩きで崩れたリズムを次のホールに持ち込まないことです。

逆に、今やらなくていいのがスイングの作り直しと飛距離アップです。180の中身で見たとおり、打数がかさんでいるのはグリーン周りとペナルティのほうです。そちらを先に減らすほうが、スコアは早く縮まりやすいです。

よくある質問

初ラウンドで200を超えました。さすがにまずいですか?

まずくありません。知恵袋には初ラウンド232という記録や、ハーフだけで200という目撃談も出てきます。200超えの申告がネットに少ないのは、途中で数え切れなくなったり、打ち切りルールで数字として残らなかったりするからかもしれません。全部数えて200超なら、それだけ正直に回った証拠です。次は前進4打と打ち切りを使ってみてください。

スコアより、同伴者や後ろの組に迷惑をかけないか心配です

周りが気にしているのは、スコアの大きさより進行の速さです。目安として、18ホールは5時間以内、ハーフは2時間〜2時間15分とされています。前進4打もホールの打ち切りも、もともと進行を守るために用意された仕組みです。遠慮なく使うことが、そのままマナーになります。

女性の初ラウンドだと、どれくらいのスコアですか?

性別で分けた確かな調査データは見つかりませんでした。知恵袋の声では「女性だと120くらい叩く人は結構いますよ」という回答があり、体験談では132や161という数字も出てきます。数え方で数十打変わる事情は男女で同じなので、180前後でも珍しくありません。

OBを打ったら、何打目と数えればいいですか?

原則は、1罰打を足して直前の場所から打ち直しです。ティーショットのOBなら、打ち直しが3打目になります。ゴルフ場が前進4打を認めていれば、前方の特設ティーなどから4打目として続けられます。迷ったら、同伴者に「ここは前進4打ですか?」と聞いてしまえば大丈夫です。

上手な人と回ることになりました。大丈夫でしょうか?

スコアの差そのものは問題になりません。気を使うなら、OBの少ない広いコースを選ぶと、球を探す時間が減って進行が楽になります。あとは前進4打と打ち切りを使えば、待たせる場面はかなり減らせます。うまく回ろうとするより、止まらずに回る。それだけ意識できていれば大丈夫です。

まとめ:180は「正直に数えた数字」

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 初ラウンド前後のスコア180は珍しくない。「初心者の平均は120〜150」というネットの数字は、大半が出典のない体感値
  • スコアは数え方で数十打変わる。前進4打とホールの打ち切りを使った140と、数え切った180は近い実力でありうる
  • 180=1ホール平均10打。打数がかさんでいるのはグリーン周りとペナルティ
  • 150台へ効く順番は、パターとグリーン周り→OBの傷を浅く→1ホールの打数に上限を決める。スイング改造はそのあと

スコアの数字は、実力の差より先に、数え方の差で大きく変わります。数字に振り回されないいちばんの方法は、その数字がどう作られたかを知っておくことです。ゴルフのスコア以外でも、同じことが言えます。

180を最後まで数え切ったなら、スコアの数え方はもう身についています。次のラウンドは、3パットを1つ減らすことだけ決めて回ってみてください。そして前回と比べるときは、同じ数え方で。それだけ守れば、数字はうそをつきません。


参考資料

  • 日本ゴルフ協会『ゴルフ規則のオフィシャルガイド』(2023年1月施行)— OB・紛失球の原則(規則18)、ローカルルールE-5(いわゆる前進4打、2罰打)
  • アコーディア・ゴルフ公式メディア — プレーイング4/規定打数3倍のギブアップの運用実例
  • 楽天GORA・ゴルフドゥ公式 — 2019年ルール改正と前進4打の数え方、パー72の基礎
  • GDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)— 48.7万人のスコア管理データ分析(パットがスコアの約4割、32〜33パットで平均80台)
  • GolfCounter — 5,739ラウンドの実測(全体平均121.9、100切り達成6.3%)
  • 鎌倉パブリックゴルフ場公式 — 進行の目安(18ホール5時間以内、ハーフ2時間〜2時間15分)
  • Yahoo!知恵袋の質問10件(2008〜2026年)— 生の声として参照(統計としては扱っていません)

この記事を書いた人

ゴルフ歴20年・ベストスコア70。アマチュアゴルファーがうまくなるためのゴルフレッスンを配信しています。

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